一戸建てや注文住宅を建てるときは、あらゆる角度から間取りの計画をすることが大切です。
安全で快適な家づくりの要素の1つである「家相」という言葉をご存じでしょうか。
聞いたことはあるけれど、内容はよくわからない方が多いでしょう。
この記事では、家相とはなにか、見方の基本や家相を取り入れて間取りを決めるときのチェックポイントについてご紹介します。
家相の良い間取り!家相とは?
まずは家相の概要について見ていきましょう。
考え方や歴史、混同されやすい風水との違いについて触れていきます。
家相とは①考え方について
家相とは、家や土地が向いている方角や間取りから、吉や凶を判断するものです。
古代から安全な家づくりの基本として扱われてきました。
迷信や占いと思われる方も多いですが、科学的な研究も進められており、学問の要素を持ち合わせています。
「家相学」として学術的な側面があり、筋がとおっている考え方なのでご理解いただけるでしょう。
家相は建築学や住居学、日本の風土の特徴を組み合わせて、快適な住まいづくりをおこなうことを目的としています。
家相を家づくりに取り入れると、生活環境を科学的な側面から判断でき、家が自然と調和し快適性が高くなるでしょう。
家相とは②歴史について
家相はもともと5,000年ほど前に古代中国で発生した占術で、その後日本に伝わり、日本の気候や慣習にあわせて変化を遂げてきました。
昔は家内安全に活かすという考え方よりは、戦いに勝利して土地を守ることを目的に使われていたといわれています。
古くから家づくりに活用されてきた家相は、長い歴史のなかで、日々の生活や経験から系統立てられ、学問として築き上げられてきました。
家相は非科学的な要素が強いイメージを持つ方も多いですが、日本の風土や気候から得てきた生活の知恵として取り入れてみてはいかがでしょうか。
家相とは③風水との違いについて
家相に近いものとして、家相と同様に中国古来から伝わった風水があります。
家相と風水は深いつながりがあり、風水が親で家相が子どものようなものだと考えられています。
ただし数千年の年月のなかで、それぞれの考え方は大きく変わってきたことを理解しておきましょう。
家相は方位によって吉や凶が決まっていますが、風水は住む方の生年月日や誕生地なども吉凶に関わると考えられます。
風水は、水や木、土地が持つ力や気の流れを重視し、それらのバランスを整えて運気を上げるという考え方です。
家相と比較してスピリチュアルな要素が関わっているといえるでしょう。
かつて創建された平城京や平安京は、風水の考えを取り入れたといわれています。
家相は風水の要素を持ちながらも、風土や気候など環境的要因から判断されるものだと理解しておきましょう。
現在、大手ハウスメーカーや建築士は家相の条件も取り入れながら、デザインや間取りを決めています。
快適な家づくりに必要な考え方として、取り入れてみると良いでしょう。
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家相の良い間取りとは?家相の見方の基本について
家相は、快適な家づくりのヒントになるということが、おわかりいただけたでしょうか。
実際に家づくりに家相を取り入れるためには、家相の見方の基本について知っておくことが大切です。
家相は細かく調べると奥深い内容になるため、一般的に重視される基本を押さえておきましょう。
家相を調べるときは方位盤を参照する
家相と方位は密接な繋がりがあり、家相を読み解くには方位盤が欠かせません。
方位盤とは、東西南北の4方位と、4方位から45度傾いた北東・南東・北西・南西をくわえた8方位から成り立つ指標です。
方位は太陽の動きや自然の原理原則に深く関わるため、間取り図面と方位盤を照らし合わせて家を設計することが大切です。
また、家相の思想として「陰陽五行説」を基本的な考えとして知っておきましょう。
陰陽五行説とは、「木火土金水」の5つの要素をバランスよく取り入れることで、運気が上がり、自然と調和がとれるという理論です。
方位を意識して、通風や採光に配慮した家づくりをおこないましょう。
方位盤を活用する方法は、まず建物の4つの角をそれぞれ対角線上に繋ぎ、交わった点に方位盤の中心を重ね合わせます。
方位盤が示す内容と、間取りの配置を照らし合わせて、吉凶を判断しましょう。
鬼門と裏鬼門とは
間取りに家相を取り入れるには、避けるべきことを把握しておくことが大切です。
なぜなら方角ごとに適している部屋が決まっていて、すべてそのとおりに配置するのは難しいからです。
そこで家相の基本として、鬼門と裏鬼門の扱いについて把握しておくと良いでしょう。
鬼門と裏鬼門とは、昔から鬼が出入りする場所であり、注意すべき方位として扱われてきました。
鬼門は北東、裏鬼門は南西を表し、水回りや玄関は配置しないほうが良いといわれています。
昔から台所の配置は、裏鬼門の方位を避けるべきだとされていて、西日が差し込むため食べ物が傷みやすくなることが理由です。
北東の鬼門に関しても、日当たりが悪く寒いことから湿度が溜まりやすく不衛生で、ヒートショックなどが起こりやすいことが理由です。
以上のように、家相は理にかなった考え方であることがわかるでしょう。
重要な点は「三所」・「三備」
家相をすべて理解するのは複雑で際限がないため、「三所・三備」を重要点を基本としておさえておきましょう。
三所とは、鬼門の北東と裏鬼門の南西、家の中心部を意味する太極のことです。
三備とは、玄関、台所、トイレのことで、三所には三備を配置しないことが家相では重要視されています。
この三箇所になにを配置するかを間取りの基準にして、家づくりの主軸として進めると良いでしょう。
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家相で間取りを決めるときのチェックポイントについ
一戸建てを建てるときは家相で大枠の間取りを決めて、それから細部を整えていくという方法がおすすめです。
間取りを配置するときのチェックポイントについて見ていきましょう。
チェックポイント①玄関
玄関は家相の吉凶を判別する重要なポイントであり、玄関の位置によって良い運気が入ってくるか悪い運気が入ってくるかを左右するとされています。
玄関を鬼門と裏鬼門に配置するのは避けるようにしましょう。
鬼門である北東は湿気がこもりやすく陰気な印象になるため、家全体の空気が悪くなると考えられています。
昔の家の設計に多い、東から南の方位に玄関を配置するのが良いでしょう。
玄関は家の顔ともいわれる場所なので、意識して配置することが大切です。
チェックポイント②階段
階段は家の安全を守るために、昔から家相のなかでも重要視されているポイントです。
階段の配置で気を付けるべき基本的な原則は、家の中心部を避けるということです。
家の中心から半径2m以内は避けるようにしましょう。
また、1階と2階を繋いでいる階段が玄関に直接到達する形状は良くないといわれています。
階段に関する家相の考え方は、火災が起きたときに家全体に火が全体に回るのを避けることからきています。
家の安全のためにも取り入れると良いでしょう。
チェックポイント③トイレ
トイレはにおいや湿気があり空気がよどむ場所なので、換気ができて日差しが入る明るいところが良いとされています。
反対に避けるべき場所は、鬼門と正中線にかかる場所ということを意識して配置しましょう。
正中線とは、家の北と南、東と西を直線で結んだときに交わる十字線のことです。
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まとめ
間取りを考えるときに家相について基本的な要点を意識しておくと、納得できる家づくりに繋がるのではないでしょうか。
あとから家の運気が悪いことがわかると、暮らしていて気持ちの良いものではありません。
家を建ててから後悔しないためにも、避けるべきポイントを押さえておくことをおすすめします。