共有持分の放棄について!手続きの流れや申請時の注意点も解説

不動産コラム

共有持分の放棄について!手続きの流れや申請時の注意点も解説

不動産を複数人で所有するケースは、相続や贈与、夫婦・親子間の住宅購入など、さまざまな場面で見受けられます。
不動産によっては、自分の共有持分を放棄したいと考えることがあるかもしれませんが、ほかの共有者との間でトラブルが起こる可能性がある点に気を付けましょう。
そこで今回は「共有持分の放棄」をテーマとし、概要や手続きの流れ、注意点について解説しますので、ぜひ今後の参考になさってください。

共有持分の放棄とは何か

共有持分の放棄とは何か

まずは、共有持分の放棄の基本的な定義について解説します。

共有持分の放棄とは?

共有持分の放棄とは、不動産などの共有物に対して、自分が持つ所有権(持分)を自ら手放す行為を指します。
たとえば、兄弟姉妹で相続した土地を自分がもう利用する予定がなく、管理が面倒だと感じたときに、共有持分の放棄を選択すると管理義務から解放されます。
法律上、共有持分の放棄は本人の意思表示のみで成立する点が特徴です。
放棄した持分はほかの共有者に帰属し、売却とは異なり代金の授受はともないません。

共有持分の放棄と相続放棄との違い

言葉が似ているため混同されがちですが、共有持分の放棄と相続放棄は異なる法律行為です。
相続放棄は被相続人の死亡後、家庭裁判所を通じて相続財産を一切受け取らない意思を明確にする手続きです。
これに対して共有持分の放棄は、自分の持分だけを手放す行為であり、裁判所の関与を必要としません。
また、相続放棄は期限(原則3か月以内)が定められていますが、共有持分の放棄には特段の期限がなく、所有している間であればいつでも実行可能です。
相続放棄は相続財産全体に及びますが、共有持分の放棄はあくまでも共有している不動産の持分に限られることを押さえておきましょう。

共有持分を放棄したいと考える理由

共有持分を放棄したいと考える理由はさまざまですが、たとえば建物の修繕など管理や維持が面倒なため、放棄を選択する方は珍しくありません。
また、遠方にあり自分がその不動産を活用しないケースでは、所有するメリットを感じられないため、共有持分の放棄を選択することがあります。
不動産の活用方法に関する共有者間の意見が合わずトラブルが絶えないケースでも、ほかの共有者と関わりたくない理由で持分を手放したいと考える方もいます。

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共有持分を放棄する流れ

共有持分を放棄する流れ

ここでは、共有持分を放棄する流れについて解説します。

流れ①共有持分を放棄する意思表示をする

前提として、共有持分を放棄するには、ほかの共有者に対して明確な意思表示が求められます。
法律上は口頭で伝えるだけでも放棄は成立しますが、後々のトラブルを防ぐため、書面を作成し内容証明郵便で送付しましょう。
ただし、いきなり内容証明郵便を送り付けると印象を悪くし、手続きに協力してもらえなくなる可能性があります。
そのため、まずは口頭でほかの共有者に伝えることが大切です。

流れ②共有持分移転登記を申請する

意思表示だけでは登記簿上は共有者のままなので、名義を変更する手続きが必要です。
共有持分を放棄すると、その持分はほかの共有者全員に法定相続分どおりに帰属します。
したがって、共有持分を移転させるための登記申請が必要となります。
手続きには、登記申請書・登記原因証明情報・登記識別情報・固定資産評価証明書・登記権利者の住民票・登記義務者の印鑑証明書などの書類が必要です。
また、手続きを司法書士に代行してもらう場合は、別途委任状を作成する必要があります。
書類がそろったら、共有不動産の所在地を管轄する法務局へ申請します。
このとき注意したいのは、ほかの共有者の協力が得られないと登記をおこなえない点です。
もしほかの共有者に協力を拒否された場合は、裁判所に登記引取請求訴訟を申し立て、認められる必要があります。
放棄が成立したことは登記簿謄本で確認できます。
念のため、完了後は登記簿を取り寄せ、自分の名義が消えているかを確認しましょう。
なお、結婚などにより共有持分を放棄する方の氏名・住所が登記簿の記録と異なる場合は、まず住所・氏名の変更登記を申請する必要があります。

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共有持分を放棄するときの注意点

共有持分を放棄するときの注意点

共有持分を放棄するときには、押さえておきたい注意点が複数あります。
ほかの共有者との関係を悪化させないためにも、事前に注意点を押さえたうえで、適切な行動を取るようにしましょう。
ここでは、共有持分を放棄するときの注意点について解説します。

注意点①贈与税が発生する可能性がある

持分を放棄すると、その持分はほかの共有者に無償で移転します。
そのため、受け取った共有者には贈与税が課される場合がある点に注意しましょう。
贈与税は年間の基礎控除額を超える贈与を受けたときに課される税金です。
したがって、放棄した共有持分の評価額が110万円を超える場合は贈与税が発生し、ほかの共有者との間でトラブルになる可能性があります。
トラブルを回避するためにも、ほかの共有者に贈与税が発生する可能性があることを伝えておきましょう。

注意点②放棄の意思表示だけで固定資産税の連帯納付義務はなくならない

意外と見落としがちなのは、放棄の意思表示をしても登記簿上の名義が残っている限り、固定資産税の納税義務は消えない点です。
日本の税制度では、不動産の納税通知は登記簿上の所有者に対しておこなわれます。
つまり、固定資産税の負担から解放されたい場合は、持分移転登記申請をおこない、登記簿上から自分の名義を外すことが重要です。
また、固定資産税は毎年1月1日時点の不動産所有者に課されます。
したがって、1月2日以降に共有持分の放棄をおこなっても、その年の固定資産税の納税義務は発生する点に注意しましょう。

注意点③最後のひとりになると放棄できない

資産価値が低かったり管理が大変な不動産では、共有者全員が共有持分を放棄する可能性があります。
しかし、共有持分の放棄は原則として早い者勝ちです。
そのため、ほかの共有者が先に放棄を宣言して最後の一人になってしまうと、放棄できなくなる点に注意しましょう。
ただし、ほかの共有者が権利を放棄して不動産を単独名義で所有することになれば、自分の意思で活用できるようになります。
したがって、ほかの共有者が先んじて放棄を選択した場合は、単独名義の不動産として売却や活用を検討するのも一つの方法です。

注意点④登録免許税がかかる

共有持分の放棄にともなって移転登記申請をおこなうときには、登録免許税がかかります。
共有持分の移転登記は共有者全員が協力しておこなう必要があるため、登録免許税も全員が負担しなければなりません。
登録免許税額は「固定資産税評価額×持分割合×2%」です。
たとえば、共有名義不動産の固定資産税評価額が2,000万円、持分割合が4分の1のときは10万円の登録免許税を納める必要があります。
トラブルを未然に回避するため、登録免許税の負担者についても話し合って決めておきましょう。
共有持分を放棄する方が登録免許税を負担すれば、ほかの共有者の承諾を得やすいといえます。

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まとめ

共有持分の放棄とは、共有名義の不動産のうち、自分が持っている権利を放棄して、ほかの共有者に帰属させる行為です。
手続きは、まずほかの共有者に放棄の意思を示し、その後に法務局で持分移転登記の申請をおこなう流れで進めます。
共有持分を放棄するときには「ほかの共有者に贈与税が課される可能性がある」「最後のひとりは放棄できない」などの注意点を押さえておくことがポイントです。

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株式会社ヘヤミセ

長崎市 / 諫早市 / 大村市を中心に地域に密着したサービスを展開し、住まいに関するご相談に親身かつ誠実に対応しています。
不動産は生活の土台となる存在だからこそ、一人ひとりのニーズに寄り添うご提案を大切にしています。

■強み
・長崎エリアに特化した豊富な物件情報
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■事業
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