所有している不動産がゴミ屋敷状態になった、ゴミ屋敷を相続してしまったなどで、悩んでいる方もいることでしょう。
ゴミ屋敷の扱いに頭を悩ませている方は珍しくなく、不動産を有効活用できていないケースも多く見られます。
そこでこの記事では「ゴミ屋敷」の定義や、ゴミ屋敷の売却方法、買取サービスを利用するメリットをご紹介します。
ご自身の所有する不動産がゴミ屋敷なのではないかとお悩みの方や、ゴミ屋敷の扱いに迷っている方は、ぜひご参考になさってください。
「ゴミ屋敷」と呼ばれる不動産の特徴とは?
テレビ番組などの影響もあり、ゴミ屋敷は一定の知名度を得ています。
しかし実際にどのような特徴を持つ不動産がゴミ屋敷に該当するのか、ご存じない方も多いのではないでしょうか。
ここではゴミ屋敷の定義や、ゴミ屋敷になる原因を解説します。
「ゴミ屋敷」の定義
実は、ゴミ屋敷には明確な定義はありません。
しかしゴミ屋敷の類語はいくつかあり、程度によって使い分けられています。
ゴミ屋敷
足の踏み場もないほどゴミが散乱し、天井や庭先までゴミに埋め尽くされている状態です。
外からも、ゴミが溜まっていることがわかります。
ゴミ部屋
部屋の中がゴミだらけになっている状態です。
庭までゴミが散乱しているケースは少なく、外から見ただけではゴミが溜まっているとはわからないでしょう。
汚部屋
部屋の中に物が散らかっている状態ですが、散らかっているものがゴミだとは限りません。
ゴミが散乱しているというよりは、片付けられていない状態の部屋を指します。
汚部屋もゴミ部屋と同様に、外から見ただけでは判断できないケースがほとんどです。
不動産がゴミ屋敷化する原因とは
一口にゴミ屋敷といっても、その原因はさまざまです。
●物を捨てられない
●多忙で片付けの時間がとれない
●病気を患っている
●セルフネグレクトの状態にある
賃貸に出している不動産がゴミ屋敷化している場合、お住まいの方が何らかの困りごとを抱えているかもしれません。
多忙で疲れている、つらい出来事があり落ち込んでいるなどが原因で、片付けの意欲がわかなくなっている可能性があります。
事情はさまざまであり、疾病により判断力が落ちている可能性もあるため、ゴミ屋敷状態の解消には時間がかかるケースも少なくありません。
ゴミ屋敷にお住まいの方の様子を確認したうえで、対策を講じましょう。
ゴミ屋敷化した不動産の問題点とは
不動産がゴミ屋敷化すると、火災のリスクが高まります。
なぜならガスコンロの火がゴミに引火したり、コンセントにほこりが積もって発火する可能性が高まるからです。
またゴミによる健康被害や、地域の景観の悪化も見過ごせません。
これらの問題はゴミ屋敷の住人や所有者だけでなく、地域の方にも悪影響を及ぼします。
そのため「ゴミ屋敷条例」などを制定し、ゴミ屋敷に対して対応をおこなっている自治体もあります。
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ゴミ屋敷化した不動産の売却・買取方法とは?
ではそのようにゴミ屋敷化した不動産は、売却できるのでしょうか?
結論からいうと、ゴミ屋敷のままでも売却は不可能ではありませんが、通常の価格で売るのは難しいです。
ゴミ屋敷専門の買取業者などもありますが、ゴミが残ったままだと安く買い叩かれてしまう可能性もあります。
そのため適正な価格で売却するには、ゴミを処分してから売却・買取を検討するのが一般的な流れになります。
ここではゴミ屋敷を売却する前段階として、ゴミを処分する方法をご紹介いたします。
ゴミ屋敷のゴミを処分する方法
ゴミの処分は、基本的に一般廃棄物処理をおこなう清掃業者に依頼します。
清掃後にゴミ屋敷を解体する予定がある場合、解体業者が一般廃棄物処理もおこなっていれば、ゴミの処分と解体を同時に依頼することも可能です。
間取り別の処分にかかる費用の目安は、以下のようになっています。
●1R・1K:3~8万円
●1DK・1LDK:5~20万円
●2DK・2LDK:9~30万円
●3DK・3LDK:15~50万円
●4LDK:22~100万円
このように、基本的に間取りが多いほど費用も多くかかります。
すべての部屋にゴミがあると仮定した場合、ファミリータイプの分譲マンションで約30万円、一戸建てで約100万円が費用の目安です。
ただし実際の費用はゴミの量によって異なります。
間取りが少なくても、ゴミの量が多ければ費用が高くなってしまうため、事前に見積りをとっておきましょう。
ゴミの処分だけでなく消臭も必要
ゴミが長年にわたって放置されたゴミ屋敷では、清掃だけでなく消臭も必要な場合があります。
なぜなら建物にゴミの臭いが染み付いていると、売却が難しくなり、かつ売却価格も大幅に下がってしまうからです。
そのため臭いがついてしまっている場合は、オゾン消臭などの消臭作業がおこなえるかどうかも同時に相談すると良いでしょう。
軽い臭いであれば、数千円程度で対応してもらえる可能性があります。
しかし臭いが強いと数万円程度の費用がかかることもあるため、こちらも事前に見積りが必要です。
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不動産会社にゴミ屋敷の買取を依頼するメリットとは?
ゴミの処分が済めば、不動産を売却もしくは買取に出すことができます。
しかしゴミ屋敷だった不動産を手放す場合、売却よりも買取を選択したほうが良いケースが多いです。
なぜ買取を依頼したほうが良いのでしょうか?
ここではゴミ屋敷の買取を依頼するメリットをご紹介いたします。
ゴミ屋敷の買取を依頼するメリット①:短期間でゴミ屋敷を現金化できる
一般的な不動産売却は買主を探す必要があるため、売却に3か月から半年程度はかかります。
しかしゴミ屋敷をゴミ屋敷のまま購入する方が現れる可能性は低く、片付けたとしても過去にゴミ屋敷だった不動産を避ける方もいます。
また売却までに時間がかかると、その間に不動産の価値がさらに下がってしまう可能性も。
一方で、買取であれば買主を探す必要がありません。
買取業者と合意できれば、1週間から1か月程度でゴミ屋敷を現金化できます。
ゴミ屋敷の買取を依頼するメリット②:売却後の責任を負う必要がない
一般的な不動産売却では、売主は売却後に「契約不適合責任」を負います。
契約不適合責任とは、契約した内容と実際の品物の状態が異なる場合に、売主が負う責任のことです。
契約時に説明されていない不具合が見つかった場合、買主は売主に対し、代金の減額や損害賠償などを請求することができます。
ゴミ屋敷は管理が行き届いていないケースが多く、目に見えない不具合が生じている可能性があります。
そのため一般的な不動産売却でゴミ屋敷を売却できたとしても、売却後にトラブルが生じるかもしれません。
しかし買取であれば、特例によって契約不適合責任が免責されることがほとんどです。
売却後までゴミ屋敷に悩まされる心配がないため、スッキリと手放すことができるでしょう。
ゴミ屋敷の買取の流れ
ゴミ屋敷の買取の流れは、一般的な買取と同様に査定・条件交渉・契約・引き渡しの順に進みます。
まずは買取業者に査定を依頼します。
買取金額は一般的な不動産の売却価格よりも安く、相場の7割程度が目安です。
ゴミ屋敷の状態によっては、この目安を下回るかもしれません。
査定金額に納得できたら、手続きの日程調整などをおこないます。
売買契約を締結したら決済をおこない、ゴミ屋敷を引き渡して一連の流れは完了です。
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まとめ
ゴミ屋敷には明確な定義はありませんが、一般的には室内だけでなく屋外にまでゴミが散乱している状態の不動産を指します。
そのままでの売却は難しく、価格も落ちてしまうため、基本的にはゴミを処分してから売却や買取を検討しましょう。
また短期間で現金化できる、売却後の責任が免責されるなどのメリットがあるため、売却よりも買取がおすすめです。