賃貸物件を探す際にはさまざまなポイントがありますが、年齢に関する条件も重要なポイントの1つです。
とくに、高齢になってから新しく賃貸借契約を結ぼうとした際には、年齢を理由に物件探しが難しくなってしまうケースも少なくありません。
この記事では、高齢者が賃貸借契約を結ぶのが難しくなってしまう理由や対策をご紹介します。
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弊社へのお問い合わせはこちら高齢者が賃貸借契約で入居制限を受ける場合
高齢者が賃貸物件に入居しようとした場合、大家さんが年齢を理由に入居を制限するケースがあります。
物件によって異なるものの、物件を借りる方の年齢が高くなればなるほど、賃貸借契約のハードルが高くなるのが一般的です。
賃貸物件を借りる際に年齢制限はある?
賃貸借契約の条件として、年齢制限を設けている賃貸物件はそれほど多くありません。
しかし、高齢者に積極的に家を貸そうとする業者は少ないのが現状です。
全国宅地建物取引業協会連合会が2018年12月におこなった調査によると、高齢者へのあっせんを積極的におこなっている業者はわずか7.6%でした。
「諸条件により判断している」が56.1%、「消極的」が11.5%、「おこなっていない」が24.8%と、消極的な回答が大半を占めています。
また、70歳以上の方の場合、年齢を理由に保証会社の審査が通りにくくなるのも賃貸借契約のハードルを高くする原因の1つです。
年齢制限のある賃貸物件はあまり多くないものの、貸主が前向きではないこと、保証会社の審査が通りにくくなることが原因で、高齢者が賃貸物件を探すのが難しくなっています。
賃貸物件に住んでいる高齢者の割合
では、賃貸借契約のハードルが高い賃貸物件に住んでいる高齢者は少数派なのでしょうか。
実は、高齢者の単身世帯で賃貸物件に住む高齢者は全体の3人に1人と、それほど少ないわけではありません。
総務省が2018年に公表した「住宅・土地統計調査」によると、高齢者の単身世帯は638万世帯です。
そのうち、持ち家で暮らしている世帯が66.2%の422万5,000世帯、賃貸物件で暮らしている世帯が33.5%の213万7,000世帯です。
高齢者にとって、賃貸物件で暮らすことはメジャーな選択肢の1つになっています。
高齢者が賃貸物件を借りるのが難しい状況でも、自分に合った物件を見つけて貸主と交渉していく姿勢を取ることが重要だと言えるでしょう。
高齢者が賃貸借契約の審査を通過するのが難しい理由
前述のとおり、高齢者は賃貸借契約を結ぶことが難しいのが現状です。
その理由として、審査をおこなう貸主や管理会社、保証会社がリスクを懸念していることが挙げられます。
高齢者が賃貸借契約を結ぶうえで障壁となる、審査側が懸念するリスクをご紹介します。
孤独死のリスク
高齢者の入居では、健康面のリスクは避けて通れません。
賃貸物件の入居者にもしものことがあった場合、発見が遅れると原状回復に多大な費用がかかるだけでなく、事故物件として扱われてしまいます。
事故物件になると次の入居者を探すのが大変になってしまうため、高齢者の健康面のリスクを不安視するケースが多いのが現状です。
認知症のリスク
高齢者の健康面では、認知症も懸念すべきリスクの1つとして挙げられます。
認知症でとくに懸念されているのが、火災発生のリスクです。
認知症になると注意力が低下してしまうため、調理中の火の消し忘れやタバコの不始末などで火災が起きてしまうケースがあります。
また、火災以外でも認知症の方がほかの入居者に迷惑をかけてしまった場合、貸主や管理会社は対応をしなければなりません。
火災や近隣トラブルが発生するリスクを懸念して、高齢者との賃貸借契約に消極的になってしまう貸主や管理会社も少なくないようです。
家賃滞納のリスク
高齢者のなかには、定年退職などによって年金のみで生活している方もいます。
年金だけでは現役時代と比較して収入が減っているため、家賃の支払いが遅れてしまうケースも少なくありません。
実際に、高齢者の家賃滞納はほかの年代と比較しても多いのが現状です。
年金だけでは生活費がまかなえず、貯金を切り崩して生活する方も多いため、貸主からすると高齢者は家賃滞納のリスクが高いとみなされてしまいます。
設備上のリスク
近年ではバリアフリーの賃貸物件が増えてきたものの、家賃がお手頃な物件を中心に、バリアフリーになっていない物件も多く存在します。
バリアフリーになっていない物件で高齢者が1人で生活すると不便を強いられるため、手すりやスロープの設置が必要になるケースもあるでしょう。
貸主からすれば費用負担は必要ないものの、入居者負担の設備設置となると断りにくいのが実情です。
賃貸物件に設備を設置されてしまうリスクがある点も、貸主にとっては懸念点の1つになると言えるでしょう。
高齢者が賃貸借契約を結ぶ際の対策
高齢者は賃貸借契約のハードルが高いものの、ポイントを押さえていればスムーズに契約できる可能性が高まります。
高齢者が賃貸借契約を結ぶ際に知っておきたい対策をご紹介します。
高齢者向け賃貸物件に申し込む
高齢者向け賃貸物件とは、介護を必要としない健康な高齢者を対象とした賃貸物件です。
高齢者でも安心して生活できるようバリアフリーに対応しているほか、物件によっては緊急駆け付けサービスや生活支援サービスにも対応しています。
シニア層専用の賃貸物件なので、預貯金や年金があればスムーズに契約が結べるのが魅力です。
単身やご夫婦での入居はもちろん、60歳以上の親が契約者になれば親子での入居もできます。
門限や外出などのルールがなく自由に生活できるため、お子さまの近くに住みたいとお考えの方にもおすすめです。
各種サービスや制度を利用する
高齢者の賃貸借契約を支援する制度を利用するのも、対策の1つとして挙げられます。
たとえば、保証人がいない高齢者への賃貸保証制度を設けている自治体もあるため、お住まいの自治体でこのような制度がないか確認してみると良いでしょう。
自治体の賃貸保証制度を利用できれば、保証会社の審査が通りにくくなる問題の解決が可能です。
自治体の制度以外にも、一般財団法人高齢者住宅財団がおこなう家賃保証制度など、家賃の連帯保証人になってもらえる高齢者向けの制度があります。
また、高齢者の見守り支援など、1人暮らしをする高齢者の生活支援をおこなう制度も多岐にわたります。
賃貸物件を探す際には、ご自身が利用できる制度やサービスがないかを確認しておくと良いでしょう。
経済面と健康面のサポートをアピールする
貸主や管理会社、保証会社が高齢者の審査をおこなう際に懸念するのが、経済面と健康面のリスクです。
これらの懸念点に対して問題がないことをアピールすることで、賃貸物件を借りられる可能性が高まります。
経済面については、年金などの収入が確保されていること、貯蓄が十分にあることをアピールするなど、家賃の支払いに問題がないことを示すのが効果的です。
健康面については、高齢者向けの見守りサービスを活用するほか、家族やケアマネージャーの助けを借りられるなどのサポートがあることをアピールすると良いでしょう。
まとめ
高齢者は、貸主などから健康面や金銭面においてリスクがあると思われやすく、賃貸借契約のハードルが高いのが現状です。
しかし、制度やサービスを利用したり高齢者向け賃貸物件に申し込んだりなどの対策をすれば、スムーズに契約を結べるようになります。
物件探しと同時に、どんな制度やサービスを利用できるかも確認しておくと良いでしょう。
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