賃貸物件を契約するときの賃貸借契約書は重要なのだろうか、万が一紛失した場合にはどうなるのだろうかと気になることがあるでしょう。
賃貸借契約書とは、賃貸借契約を交わした証明書であり、紛失しても契約解除にはなりませんが、貸主とのトラブル時に客観的な判断をするために必要です。
今回は賃貸借契約書とは何か、紛失した場合の再発行や困るケースについても解説します。
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賃貸借契約書を紛失した場合、何が問題？
紛失すると困る賃貸借契約書とは、賃貸物件を借りるときに賃貸借契約を交わしたことを文書に残した証明書で、借主は署名・捺印が必要です。
賃貸借契約書を紛失しても賃貸契約が白紙にはならず、退去させられることはなく、円満に暮らし続けるならば支障はありません。
しかし契約書は、貸主と借主のトラブルで双方の意見が違ったときに客観的な判断をするために必要なので、きちんと保管しておきましょう。
そして契約書には、注意事項や決まりごとなど重要な事項が記載されているため、非常時だけでなく事前に確認しておくことも大切です。
では、一般的な契約書に記載されている7つの項目について具体的に解説しましょう。
1つ目は、貸主と借主の契約者名で、連帯保証人も記載されるケースがあります。
2つ目は契約した物件の情報で、住所や間取り、部屋番号が記され、3つ目には契約期間と賃料についての項目です。
契約期間や賃料だけでなく、管理費・共益費など入居中に必要な費用について金額が記載されています。
4つ目は設備の有無について部屋の付帯設備だけでなく、共用部分の設備も記載されているでしょう。
5つ目の使用上の禁止事項には、ペット不可や楽器不可など禁止していることに加え、違反したときの契約解除なども定めてあるので注意が必要です。
6つ目は、賃貸借契約の解約や更新条件で、解約時の通知期間や違約金、契約満了時に更新できるかなどが記載されています。
解約時に必要な解約通知書は、契約書とは別に添えられていることがあるので、紛失しないように注意しましょう。
7つ目の特記事項・特約には、退去時の原状回復義務について記載されていることが多く、原状回復の負担などきちんと確認することが大切です。
また、契約違反した際の違約金に関しても記載されていることがあります。
特に、敷金や礼金がかからない物件の場合、短期間での解約により違約金が発生することが特約に定められている可能性もあるため、注意が必要です。
契約を結ぶ前には、契約書に記載されていることで疑問があれば、必ず貸主や不動産会社へ尋ねて解決しておきましょう。
もし、入居中に気になることがある場合、契約書を読み直すと解決できる可能性があるのでおすすめです。
そして何よりも、賃貸借契約書は貸主とトラブルが発生したときに、契約書に記載されたことが優先されるため失くさないようにしましょう。
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紛失した賃貸借契約書の再発行は可能？
紛失した賃貸借契約書の再発行を依頼するのは困難でしょう。
再発行することは、法的には問題ありませんが不動産会社のリスクが大きいため、お断りする方が一般的です。
たとえば賃貸契約を結んだときの契約書をAとし、再発行する日を作成日に記載した契約書をBとします。
契約書AとBの内容がすべて同じであれば構いませんが、少しでも相違がある場合には、契約書の作成日により優先順位が変わるのです。
つまり、契約書の作成日が異なることから、AとBは別物とみなされ、再発行した新しい日付で作ったBの契約書が優先されるということです。
もし再発行したBの契約内容が、元のAよりも借主に不利な場合でも、Bの方が優先されるので注意しましょう。
また、再発行する契約書Bの作成日を、過去に発行した契約書Aと同じ作成日にした場合もトラブルの原因になる可能性があります。
同じ日付の契約書AとBの内容が少し違うならば、どちらの内容が有効なのか判断が難しく、最終的には裁判で決めるしかありません。
以上に挙げた例を考えても、不動産会社にとってトラブルを招く原因になる可能性が高い賃貸借契約書の再発行は厳しいということです。
万が一、紛失してしまった場合には、なるべく早く不動産会社に連絡しましょう。
そして事情を詳細に伝えたうえで、賃貸借契約書のコピーを頼んでみるのが最良の解決策と言えます。
不動産会社にとっても、重要書類である賃貸借契約書は5年間の保管義務があるため、契約から5年以内であれば残っているはずです。
契約書のコピーであれば、不動産会社が応じてくれる可能性があるのでお願いしてみましょう。
ただし、手数料がかかる場合もあるので、コピーを依頼したときに確認することも必要です。
賃貸借契約書を紛失した場合は、借主である自分の立場を守るためにも、不動産会社にコピーをお願いし、突然起こりうるトラブルに備えておきましょう。
また、賃貸借契約書の再発行は難しいことを忘れずに覚えておくことが大切です。
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賃貸借契約書を紛失して困るケース
賃貸借契約書を紛失して困るケースは、やはり貸主や他の入居者とトラブルが起ったときです。
紛失して契約書を確認できなければ、トラブル時に不動産会社に連絡せざるをえません。
そして不動産会社は、一から賃貸借契約書を見直して対処するので、解決までに時間がかかってしまいます。
具体的なトラブルとは、ペットの飼育や楽器の音などの入居中に発生することだけなく、契約更新時や解約時のお金に関係することも多いのが実情です。
要するに賃貸借契約書が手元にあることで、トラブルが起きてしまったときに確認して解決へ導いてくれる可能性があります。
また確認することが、未然にトラブルを防ぐことにもなるので、契約書は失くさないようにしましょう。
とくに契約書を紛失して困るのは、賃貸物件で事業を始めようとしている方のケースです。
役所に許可を申請するときには、基本的に賃貸借契約書の原本を提出することが求められます。
つまり、契約書のコピーでは役所では受理されず、原本を紛失した場合に事業をスタートできないので注意が必要です。
もし契約書を紛失し、他に手段がない場合には、貸主や不動産会社に相談してみましょう。
では、契約書を失くさないための対策について悩んでいるなら、自分が定めた場所に常に保管することをおすすめします。
また賃貸契約書は紙で作成されるので、経年劣化を防ぐためにもクリアファイルやファイリングで保管するのも良いでしょう。
賃貸契約したときに、自分の確認用に契約書のコピーを取っておくのも1つの方法です。
他には、過去に入居していた物件の賃貸契約書は、退去したあと10年程度は保管しておきましょう。
退去後に訴訟などのトラブルが発生した場合のために、証拠として残しておくと良いかもしれません。
10年以上経過し破棄する際は、個人情報が特定できないようにシュレッダーやハサミで細かく裁断することが必要です。
万が一、どうしても困った場合には、各都道府県庁にある相談窓口や国民生活センターなどの公的機関に相談しましょう。
また、不動産会社が所属している全国宅地建物取引業協会連合会、または全日本不動産協会の団体に相談するのも有効な手段です。
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まとめ
賃貸借契約書とは、賃貸契約の内容を文書化した証明書で再発行は難しいため、紛失しないように保管することが必要です。
もし紛失した場合、早めに不動産会社へ事情を説明しコピーをもらい、万が一のトラブルに備えましょう。
ただし、事業を始める方は原本ではないと、申請時に役所が受理してくれないので注意が必要です。
お気軽にご相談ください！
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