マイホームを購入する際の選択肢の一つに建売住宅があります。
購入しやすさから人気が高いですが、中には「買って失敗した…」と嘆く方々もいます。
なぜ建売住宅の購入で失敗するのでしょうか?
この記事では、失敗事例と後悔しないためのポイント、建売住宅を購入するメリットをご紹介します。
建売住宅を購入して失敗した事例とは?
建売住宅を購入して失敗したと感じるケースでは、主に以下の問題が挙げられます。
失敗を避けるためには、どんな失敗事例があるのか理解しておくことが重要です。
失敗事例①間取りや設備が使いづらい
建売住宅はコストダウンのために規格化されています。
そのため、間取りや設備が一般的なニーズに合わせて設計されていますが、個々の家族構成やライフスタイルには合わないケースもあるようです。
例えば、生活動線が長くなったり、窓や扉の位置が悪くて家具が配置しにくいといった問題があります。
また、コンセントの数や配置が不便で、家電を希望する位置に置けないこともあります。
さらに、照明スイッチや給湯器のリモコンの位置が使いづらいこともあるため、事前にしっかりと確認しましょう。
失敗事例②日当たりが悪い
住まいを決める際に重要なポイントの一つが日当たりです。
日当たりの良い住宅は、洗濯物が乾きやすく、昼間は電気をつけなくても明るいなど、多くのメリットがあります。
しかし、建売住宅を購入してから日当たりの悪さに後悔するケースは少なくありません。
内覧は晴れた日中におこなわれることが多く、その時点では日当たりが良く見えるのが一般的です。
しかし、日当たりの良さは時間帯によって変わります。
内見時には日当たりが良いと感じても、実際に生活を始めてみると、日当たりが欲しい時間帯に日が入らず「日当たりが悪い」と感じることがあります。
また、2階は明るくても1階は暗いということもあるので注意が必要です。
日当たりが悪いと湿気が溜まりやすく、カビが生える原因になるため、一度夜間に見学に行って確認することもおすすめです。
失敗事例③施工不具合が見つかった
建売住宅では工事過程を確認できないため、施工の質を判断することが難しいです。
一見問題ないように見える住宅でも、引き渡し前の竣工検査や入居後に施工不具合が見つかることがあります。
多くの場合、第三者の専門家(ホームインスペクター)が検査をおこないますが、施工品質の低い建売住宅も少なくありません。
施工に問題があると、修正やリフォームが必要となり、予期せぬコストがかかることがあります。
これでは、費用面で建売住宅を選ぶメリットが失われてしまうため注意が必要です。
ただし、施工不具合のリスクは建売住宅に限らず、注文住宅でも起こり得るため、建売住宅特有の問題ではないという点も理解しておきましょう。
失敗事例④断熱性能が低い
断熱性能が低いと外部の温度影響を受けやすく、室内の快適な温度を維持できません。
断熱性能とは、外の熱が入りにくく中の熱が逃げにくい性能を指します。
断熱性能が高い住宅は室内温度を快適に保ちやすいですが、断熱性能が低い住宅は特に冬に寒さを感じやすく、冷暖房の電気代も高くなりがちです。
コンクリート造のマンションに住んでいた方は、建売住宅の断熱性能の違いを感じやすいです。
また、コンセントボックスからの隙間風がひどいと感じることもありますが、これは使い方や施工不具合が原因であり、建売住宅に限った問題ではありません。
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建売住宅を購入して失敗しないためのチェックポイント
建売住宅の購入後、「失敗した…」と後悔しないためには、購入前の入念なチェックが大切です。
下記のポイントをしっかり確認し、慎重に検討することで、後悔しない選択ができるでしょう。
チェックポイント①家具の配置や生活を想定して間取りを確認する
「住みやすさ」や「暮らしやすさ」を左右するのは間取りです。
実際の生活を想定して間取りをチェックしましょう。
たとえば、家具を配置したときに生活スペースは確保されているか、扉や窓が邪魔にならないかなどを確認します。
家具の配置も考慮すると、ご自身や家族に合った間取りを選びやすくなります。
生活する姿を想像しながら間取りをチェックすれば、入居後に後悔する可能性が低くなります。
チェックポイント②建具の建て付けや隠れた部分を確認する
表面がきれいでも、見えない部分に欠陥や不具合があるケースは多くあります。
建売住宅を購入するときは、見える部分だけでなく、天井裏や床下などの隠れた部分も確認し、施工の良し悪しを判断しましょう。
隠れた部分まで丁寧に施工されていれば、不具合が生じにくいと考えられます。
また、ドアや窓がスムーズに動くか、排水管に水漏れがないかなど、建具の建て付けも一通り確認することが重要です。
チェックポイント③ホームインスペクションを実施する
施工不具合の多い建売住宅を購入して後悔しないよう、売買契約前に第三者の専門家(ホームインスペクター)によるホームインスペクション(住宅診断)を依頼しましょう。
ホームインスペクションとは、住宅の状況や欠陥の有無、改修すべき箇所、改修時期、およその費用などをプロの目線から診断してもらうものです。
断熱性や防音性、耐震性、外壁など、あらゆる部分をチェックしてもらえます。
可能であれば契約前に依頼するのがベストですが、契約前にできなかった場合は引き渡し前に依頼しましょう。
引き渡し後でも診断は可能ですが、早めのタイミングでの実施をおすすめします。
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建売住宅を購入する4つのメリット
ここまで建売住宅を購入して失敗した事例を紹介してきましたが、適切なポイントを押さえて購入すれば、建売住宅には多くのメリットもあります。
購入を検討する際には、下記のメリットを考慮して、ご自身に合ったマイホームを見つけてください。
メリット①購入前に実物をチェックできる
建売住宅の大きなメリットは、購入前に実物を確認できることです。
注文住宅は土地探しから始まり、完成まで実物は見れません。
しかし、建売住宅はすでに完成しているため、実際に内覧して住みやすさや広さを確認できます。
これにより、納得した上で購入を決定できる安心感があります。
メリット②入居までの期間が短い
建売住宅は、入居までの期間が短いのもメリットです。
注文住宅は土地探しから完成まで1年3か月から2年ほどかかりますが、建売住宅は完成済みのため、内覧して気に入れば金融機関の融資審査後すぐに入居可能です。
異動や幼稚園・保育園の入園、賃貸住宅の更新時期に合わせてすぐに引っ越しをしたい場合に適しています。
メリット③価格が比較的安い
建売住宅は、価格が安価に抑えられることも大きなメリットです。
建売住宅は仕様や設備が統一されているため、大量発注により仕入れ原価を低く抑えられます。
そのため、注文住宅よりもリーズナブルな価格で購入できます。
特に、建材の発注が早いタイミングでおこなわれるため、原価高騰の影響を受けにくく、費用を抑えやすいです。
メリット④住宅ローンで建物と土地を一括支払いできる
建売住宅は、住宅ローンを使って建物と土地を一括支払いできるのもメリットです。
これにより、返済計画が立てやすく、住宅ローンの管理も簡単になります。
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まとめ
建売住宅を購入して失敗したと感じるケースがあり、間取りや設備の使い勝手、日当たりの悪さ、施工不具合などが原因です。
失敗を避けるためには、実生活の想定、建具の確認、ホームインスペクションの依頼をおこないましょう。
一方で、建売住宅には購入前に実物を確認できる、入居までの期間が短い、価格が比較的安い、住宅ローンで建物と土地を一括支払いできるといったメリットもあるため、マイホーム探しの参考にしてください。