共有持分の売却について!確定申告の流れや注意点も解説
共有名義の不動産を売却した場合、譲渡所得が発生するため確定申告が必要になることをご存じでしょうか。
とくに、共有者が複数いる場合は、それぞれが個別に申告手続きを行う必要がある点に注意が必要です。
正しい申告をおこなうには、流れや必要書類、発生する可能性のある税金について理解しておくことが大切です。
この記事では、共有持分の売却時に必要となる確定申告の方法や注意点、関連する税金の種類を詳しく解説します。
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共有持分売却時における確定申告の流れ
共有名義の不動産を売却すると確定申告が必要ですが、手続きを怠れば追徴課税などのトラブルに発展します。
確定申告は、「譲渡所得の計算→必要書類の収集→申告書の作成→提出」という流れで進みます。
まずは自分の持分でどれだけ利益が出たのかを把握し、その数字を基に書類を整えることが第一歩です。
誰が確定申告をおこなうのか
確定申告は、共有者それぞれが自分の持分に応じておこないます。
たとえば、兄弟2人で2分の1ずつ共有していた場合、各自が売却金額の半額を譲渡所得として申告します。
割合が3分の2と3分の1など不均等でも同様で、持分を示す登記簿謄本を基に計算します。
誰か1人がまとめて申告することはできず、税務署でも個人単位での手続きが求められます。
居住用財産の3,000万円特別控除を使う場合でも、控除の適用可否を含めて共有者が個別に申告しなければ適用されません。
なお、贈与によって取得した持分を売却した場合は取得時期の判定が異なるなど、申告内容が複雑になりがちです。
不明点があれば、税理士や税務署の相談窓口で早めに確認することをおすすめします。
また、共有者間でグループを作り、進捗や必要書類リストを共有すると漏れを防げます。
申告時期はいつなのか
確定申告は、売却した年の翌年におこなうのが原則です。
たとえば、令和6年中に売却した場合、令和7年2月16日から3月15日までが提出期間になります。
この期間を過ぎると、無申告加算税や延滞税が課せられる可能性があるため、売却後は早めに譲渡所得の計算と書類準備を進め、共有者間で提出計画を確認しましょう。
短い期間で必要情報を集めるのは大変なため、売却契約時点から領収書類を整理しておくと安心です。
電子申告(eTax)を利用すれば、混雑する窓口に行かずに申告でき、添付書類の一部を省略できる場合もあります。
さらに、マイナンバーカードを使えば24時間オンライン提出でき、忙しい方でも期限内申告がしやすくなります。
必要な書類とその準備方法
主な提出書類は売買契約書の写し、取得費を示す購入時の契約書や領収書、仲介手数料など譲渡費用の領収書です。
土地建物を取得した際に支払った登記費用や不動産取得税、測量費、解体費なども取得費や譲渡費用として控除できるため、関連書類を保管しておきます。
書類を紛失している場合は、不動産会社や司法書士に再発行を相談できますが、再発行には時間がかかることもあるため早めの確認が必要です。
eTaxを利用する場合でも、原本は5年間保管する義務がありますので、ファイリングして管理しましょう。
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共有持分売却時における確定申告の注意点
申告方法や所得区分を誤ると追徴課税を招くため、共有持分特有の注意点を押さえましょう。
各共有者が個別に申告する必要がある
先述したように、確定申告は共有者ごとに申告が必要です。
登記簿謄本で自分の持分を確認し、その割合で譲渡所得を計算して申告書へ記載してください。
手続き自体は1人でもできますが、計算根拠を共有者間で共有しておくと後日の問い合わせに備えられます。
提出後に税務署から照会が来た場合も、同じ資料をもとに回答できるため安心です。
他の所得とは合算しない点に注意
譲渡所得は、給与所得や年金所得などと合算せず、独立した税率で課税されます。
分離課税を適用することで、給与などの累進税率に影響を与えない一方、赤字となっても他の所得と相殺できない点はデメリットになります。
住民税も同じ課税区分を採るため、市区町村から届く翌年度の納税通知書で金額を確認し、資金繰りを計画しておきましょう。
なお、税務署では申告書第一表の「分離課税用」の欄に譲渡所得を記載しているかどうかをチェックしています。
誤った申告を防ぐための確認事項
取得費が不明な場合には、概算取得費(売却代金の5%)を使えますが、課税額が高くなる可能性があります。
可能な限り契約書や領収書を探し、実額で計算しましょう。
また、仲介手数料、登記費用、測量費、建物の解体費など譲渡費用を漏れなく計上すれば、課税所得を正確に抑えられます。
最近はマイナポータル連携により、売買契約書や領収書を電子データで保存し、eTaxへ直接読み込ませる方法も整備されています。
スキャナ保存をおこなう場合は、解像度やタイムスタンプの付与など技術要件が決まっているため、国税庁のガイドラインを確認してください。
経費の計上漏れはよくあるミスなので、事前にチェックリストを作成して確認する方法も効果的です。
また、空き家期間中に支出した固定資産税も譲渡費用に含められる場合があり、見落としに注意しましょう。
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共有不動産を売却したときにかかる税金
共有不動産の売却益には、所得税と住民税が課されますが、取得費や控除の確認で負担を抑えられます。
売却益に対する課税の仕組み
譲渡所得は、売却価格から取得費と譲渡費用を差し引いて算出し、分離課税で税率が適用されます。
所有期間が5年を超える長期譲渡所得は20.315%、5年以下の短期譲渡所得は39.63%と税率が大きく異なる点に注意してください。
たとえば取得費1,500万円の物件を2,500万円で売却し、仲介手数料が100万円だった場合、譲渡所得は「2,500万円−1,500万円−100万円=900万円」と計算できます。
この金額に税率を掛けたものが所得税・住民税のベースとなります。
取得費の正確な把握が重要
取得費には購入価格のほか、登記費用や不動産取得税、仲介手数料など関連費用を含められます。
実額が不明な場合は概算取得費制度の利用も可能ですが、実際より税負担が増える場合があるので、注意が必要です。
古い書類が見つからない場合でも、当時の売主や仲介会社に確認すると手掛かりを得られることもあります。
必要に応じて、領収書の再発行や金額証明書の取得を依頼しましょう。
特別控除の活用による節税効果
マイホームを売却した場合は、3,000万円特別控除が利用できます。
さらに所有期間が10年以上であれば軽減税率(所得税10%、住民税4%)が適用される特例も併用可能です。
たとえば譲渡所得が2,800万円であれば、3,000万円特別控除だけで課税所得は0円になり、税率を気にする必要がなくなります。
一方で、軽減税率を使ったほうが有利になるケースもあるため、複数パターンを試算し比較することが欠かせません。
これらの特例を併用すると、譲渡所得そのものが0円になるケースもあり、大幅な節税につながります。
ただし、被災者向け控除や買換え特例など一部特例は重複適用できないため、適用順序を確認して最適な制度を選びましょう。
税制は改正されることがあるため、最新情報は国税庁ウェブサイトで確認してください。
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まとめ
共有持分を売却した場合の確定申告は、各共有者がそれぞれの持分に応じて手続きをおこなう必要があり注意が必要です。
申告では、提出時期や必要書類を把握し、誰がどの内容で申告するのか事前に整理しておくことが大切です。
売却益や取得費、特別控除の扱いなど税制の知識も重要となるため、適切な準備と情報収集を心がけましょう。
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