マンションの1階は2階以上と比べて需要が低く、工夫して売却しないと売れ残ったり、相場よりも安い売却価格になったりする可能性が高いです。
この記事ではマンションの1階が売却しにくい理由と住むメリット、スムーズに高額で売却するためのコツをご紹介します。
マンションの売却を検討している方、1階の部屋が売れずに困っている方はぜひ参考にしてください。
マンションの1階が売却しにくい理由
マンションの1階は2階以上と比べて売却しにくいと言われています。
スムーズに高額で売却するためにも、まずはどのような理由で避けられてしまうかを知ることが重要です。
ここではマンションの1階が売却しにくい主な理由3つを紹介しているので、ぜひ参考にしてください。
日当たり
低層階は高層階と違い、周囲にある建物などの影になって見晴らしが悪く、日当たりが悪い部屋が多いです。
日当たりが悪いと部屋の中が日中でも暗くなるほか、湿気が溜まりやすく、部屋の中がじめじめしてカビが発生する恐れがあります。
また、洗濯物が乾きにくい、植物を育てても日光が当たらず育ちにくいなども日当たりが悪い部屋に住むデメリットです。
これらの理由から、日当たりの悪い部屋は避けられる可能性が高いでしょう。
反対に1階でも近くに高い建物が無く、日当たりが良い場合は、需要が高まりやすいです。
セキュリティ
不動産を選ぶ際、防犯性やセキュリティ設備を重視する方は多いです。
セキュリティ設備が整っていても、地面から近い低階層は不審者に侵入されやすく、防犯性は高層階よりも劣るとされています。
防犯カメラや警報装置など個人でできる防犯対策もありますが、防犯性を重視する買主は防犯面の理由で低層階を避ける可能性が高いでしょう。
また立地や周囲の環境によっては、通りや他の建物からベランダや室内が丸見えになったり、周囲の騒音が届きやすかったりする場合があります。
設備だけでなく、周囲の環境も防犯性を大きく左右するでしょう。
浸水
購入した不動産が災害に遭うのは、多くの方が避けたい問題です。
一般的にマンションの低層階は地面と近く、高層階の部屋と比べて浸水リスクが高いです。
とくに低地や海・川に近い場所に建っている場合、通常の雨は問題なくとも、豪雨や台風が起こると浸水する可能性があります。
一度浸水すると一時的に住めなくなってしまうだけでなく、資産価値が下がってしまうため、浸水リスクを理由に低層階は避けられる可能性が高いでしょう。
高台や海・川に遠い場所に建ち、ハザードマップでとくに問題のある地域に指定されていない場合は、浸水リスクを理由に避けられる可能性は低いと言えます。
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マンションの1階に住むメリット
マンションの1階はデメリットが注目され、2階以上と比べて売却しにくい傾向がありますが、メリットもたくさんあります。
ここではマンションの1階に住む主なメリット3つをご紹介しているので、ぜひ参考にしてください。
特徴に合う層に上手く宣伝したり、メリットを打ち出したりすると売却できる可能性が高まるでしょう。
騒音
マンションは集合住宅のため、一戸建てと違い、入居者間でトラブルが起きる場合があります。
よくあるトラブルの1つが騒音です。
上の階の足音や生活音が部屋に響いて困る、下の階から生活音がうるさいと苦情をもらったなど、とくに防音対策がされていないとトラブルになりかねません。
その点1階は2階以上の部屋と違い、下に住んでいる方がおらず、下の階に騒音で迷惑をかける心配がないメリットがあります。
下の階に配慮して足音や生活音に気を付ける必要がなく、小さな子どもがいる家庭でも快適に暮らせるでしょう。
移動距離
最大のメリットとも言えるのが、外出時の移動距離の短さです。
通勤や通学、買い物や散歩など、ほぼ毎日外に出かける方が多いのではないでしょうか。
1階は高層階の部屋と比べてエントランスや駐車場に近い場合が多く、外出する際にマンション内で長い距離を移動する必要がありません。
ゴミ置き場などの設備も近く、生活に便利です。
また、移動距離の短さは毎日の外出時の利便性だけでなく、災害時の避難しやすさにも繋がります。
とくに高齢者や小さな子ども、ハンディキャップを持つ家族がいる家庭は、移動距離の短さにメリットを感じやすいでしょう。
専用庭
1階の部屋と2階以上の部屋で大きく異なる点が、専用庭です。
専用庭があればマンションにいながら緑を感じたり、植物を育てたり、2階以上に付いているベランダとは異なる使い方ができます。
ガーデニングを趣味にしている方、友人や親戚を呼んでのホームパーティーが好きな方には大きなメリットとなるでしょう。
また、子どもがいる家庭では、公園に行かなくともプライベートが守られた専用庭で子どもを遊ばせられて安心です。
管理規約で認められていれば、バーベキューや家庭用プールも楽しめるでしょう。
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マンションの1階を売却するコツ
マンションの1階は2階以上に比べて売却しにくい傾向がありますが、工夫次第で買い手を見つけやすくなります。
ここではマンションの1階を高額でスムーズに売却するための3つのコツについてご紹介します。
マンションの売却を考えている方はぜひ参考にしてください。
ターゲット
1階は2階以上と比べ、広く買主を募っても日当たりの悪さや防犯性の低さなどの理由から、購入希望者が見つかりにくい傾向があります。
ターゲットを明確にし、幅広くではなく、需要のあるターゲットに絞って宣伝するのが売却のコツです。
専用庭を活用できるガーデニングが趣味の方、移動距離が長いと困る高齢者や小さい子どもがいる家庭など具体的にターゲットを定めるのが重要です。
専用庭や移動距離の短さ、下の階への配慮が不要など、2階以上とは異なる特徴に魅力を感じやすいターゲットはどういった層かを良く考えましょう。
価格
不動産売却は、価格の付け方が重要です。
価格は売主が自由に決められるため、高すぎて買い手が見つからない、相場よりも安く売ってしまったなどあとで後悔しないよう慎重におこないましょう。
1階は2階以上と比べて需要が少ない傾向があり、2階以上の部屋よりも低めに価格を設定するのが売却のコツです。
同じマンションで売り出されている部屋がない場合は、査定結果や近隣の同条件で売り出されている部屋の価格を参考にしましょう。
不動産には定価がなく、査定結果は仲介会社によって異なります。
1社ではなく複数の会社に依頼し、信頼できる会社を見つけましょう。
メリット
マンションの1階は外出時の移動距離が短い、専用庭があるなどのメリットがある一方で、日当たりの悪さや防犯性の低さなどのデメリットもあります。
デメリットが目立ち、メリットを知らない不動産購入希望者も多いため、募集時に上手くメリットをアピールする必要があります。
住んでみないと分からない駐車場やゴミ置き場までの移動距離や、専用庭の活用方法などを整理し、具体的に仲介会社や購入希望者に伝えましょう。
また、購入希望者の内覧時には、2階以上の部屋と違う点や住むメリットを実際に見せながら説明すると効果的です。
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まとめ
マンションの1階は2階以上と比べて、日当たりの悪さや防犯性の低さなどの理由で売却しにくくなります。
しかし、専用庭や移動距離の短さなどのメリットを上手くアピールすれば、スムーズに高額で売れる可能性があります。
売却時は相場を良く考えて価格を決め、需要のあるターゲットに上手く魅力をアピールしましょう。