マンションにおけるフルリノベーションの費用について!工事の範囲も解説
自身で購入したマンションの一室では、フルリノベーションをおこなえることがあります。
しかし、個人でどこまで工事して良いのか、費用はいくらかかるのかなど、いくつか疑問が浮かぶところでしょう。
そこで今回は、マンションのフルリノベーションではどこまで工事できるのかにくわえて、必要な予算や物件を購入するときのポイントも解説します。
マンションのフルリノベーションではどこまで工事できるのか
マンションでフルリノベーションをおこなうときは、個人でどこまで工事できるのかを事前に押さえておくことが大事です。
マンションにおいて、個人で工事可能な範囲は以下のとおりです。
マンションで工事可能な範囲
マンションにおいて、個人で工事可能なのは室内の専有部のみです。
該当範囲のなかなら、フルリノベーションによって間取りを変え、部屋数を増やしたり減らしたりしても構いません。
築年数を多く重ねている物件では、柱や建物の構造体を除いてすべてを一度撤去し、部屋の造りを一から設計するケースがあります。
ほかにも、室内の断熱性能を向上させるなど、想定される工事はさまざまです。
ただし、マンションによっては、可能なリノベーションの内容を管理規約で制限していることがあります。
管理規約による制限は工事可能な範囲に関わるポイントなので、現在考えているフルリノベーションの案に問題がないかは、事前に一度確認しましょう。
くわえて、工事したい場所が共用部であれば、個人でのフルリノベーションは不可能です。
対象の場所が専有部か共用部かで迷うときは、管理組合まで確認することをおすすめします。
平米単価の目安
フルリノベーションにかかる費用の目安は、1平米あたりに8万円~22万円です。
設備や素材などにあまりこだわらなければ、1平米あたり15万円以内に収まるケースが一般的です。
工事の面積が50平米なら、目安費用は400万円~750万円となります。
なお、費用面にこだわりながらフルリノベーションをおこないたいなら、施工業者としっかり打ち合わせを重ねておくことが大事です。
希望の予算を伝えたうえで、どこまで工事が可能かを確認しておくと安心です。
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マンションのフルリノベーションに必要な予算について
マンションのフルリノベーションの費用や内容を考えるうえでは、予算の目安を押さえておくことが大事です。
具体的な予算の目安やフルリノベーションの事例などは、以下のとおりです。
フルリノベーションに必要な予算
60平米程度のマンションにおいて、予算が500万円あれば、室内を大幅に改築できることがあります。
ただし、室内を骨組みだけの状態、いわゆるスケルトンに戻すタイプのフルリノベーションでは、最低でも500万円前後かかるのが目安です。
費用がかさむケースでは、約1,000万円~2,000万円もの予算が求められます。
予算が500万円あればフルリノベーションをおこなえる可能性は出てきますが、条件によってはより高額な費用がかかる点に注意が必要です。
費用が500万円以内に収まった事例
マンションのフルリノベーションにおいて、費用が500万円以内に収まった事例には、まず室内をバリアフリーに変えたものが挙げられます。
本事例において、建物の築年数は20年、工事の範囲はLDK・浴室・洗面室・トイレ・洋室でした。
工事は間取り変更を伴う大掛かりなものとなりましたが、かかった費用は471万円であり、500万円以内に収まっています。
工事のなかでは、主な目的であるバリアフリー化とあわせ、複数のスペースをつなげて広い空間を作る、キッチンにIHコンロを備えるなどの変更がくわえられています。
ほかの事例には、1LDKを快適な住まいへと変えたものが挙げられます。
建物の築年数は20年、工事の範囲は室内の全範囲となりましたが、かかった費用は412万円です。
本事例の特徴は、室内をスケルトンに戻してから間取りや内装が一新されていることです。
くわえて、予算を抑えるため、費用対効果の良いシンプルな設備が採用されています。
予算を抑えるポイント
上記のとおり、マンションのフルリノベーションにおいて、費用が500万円以内に収まる事例はいくつか挙げられます。
しかし、工事の内容によっては費用が高騰する可能性があるため、予算を抑えるポイントは事前に確認しておきたいところです。
まずは、可能な範囲はDIYで対応することが挙げられます。
また、採用する設備や素材のグレードは、優先順位に応じて調整しましょう。
優先順位が低いものに関しては、コスト優先で設備や素材を選んだほうが費用を抑えられます。
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フルリノベーションを前提にマンションを購入するときのポイント
マンションの購入後にフルリノベーションを考えているときは、物件を購入する前の段階で押さえておきたいポイントがいくつかあります。
それぞれのポイントの詳細は以下のとおりです。
リノベーションの可否について
物件の購入と同時に工事をおこないたいなら、リノベーションの可否は大事なポイントです。
先述のとおり、マンションでは管理規約でリノベーションの内容を制限していることがあります。
たとえば、専有部にあたる水回りでも、個人で造りを変更できないことがあります。
そのため、キッチンのコンロをIHに変えたり、お風呂に機能を追加したりしたいときなどには、注意が必要です。
また、希望していた工事が不可能だとあとで発覚すると、物件を購入した目的が果たせなくなってしまいます。
物件を購入する段階でマンションの管理組合に確認を取り、可能なリノベーションの内容を把握しておきましょう。
水回りの工事
お風呂の位置を変えるなど、水回りの移動は費用が高くなる傾向にあります。
水回りの配置を根本的に変えたいときは、費用の高騰で予算オーバーにならないか、事前によく確認しておいたほうが安心です。
くわえて、水回りを工事するとき、上下水道がうまく流れるように勾配をつけられるかどうかが大事なポイントです。
勾配が緩いと、以前より水が流れにくくなり、故障につながることがあります。
工事の騒音
マンションは一戸建てと異なり、隣や上下の住戸が自室と密接しています。
工事の音が隣近所に響きやすい環境にあるため、騒音で過度な迷惑をかけないか、一定の注意が必要です。
また、物件を購入して工事に入るときは、隣近所に挨拶をしておくことも必要です。
隣近所への挨拶は施工会社のほうで対応してくれますが、とくに騒音が響きそうな部屋には、施主のほうでも挨拶をしておくことをおすすめします。
リノベーション向き中古マンションを選ぶ
リノベーションの工事にあたって制限が少ない物件を選ぶと、希望の間取りなどが叶いやすくなります。
フルリノベーションに不向きな物件の例には、まず構造上の問題で配管を移動させにくいものが挙げられます。
くわえて、床の防音性能に指定がある物件などには注意が必要です。
工事にあたって問題や制限の少ない物件であれば、施主の希望が叶いやすく、余計な費用や手間があまりかかりません。
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まとめ
マンションでのフルリノベーションにあたり、個人で工事可能なのは専有部のみであり、該当範囲のなかなら基本的に間取りなどを自由に変更できます。
予算が500万円あれば、フルリノベーションをおこなえる可能性が出てきますが、条件によってはより高額な費用がかかる点に注意が必要です。
物件の購入前の段階で押さえておきたいポイントには、リノベーションの可否、水回りの工事、隣近所に響く騒音などが挙げられます。