中古マンションの引き渡し日の決め方は?当日の流れや注意点も解説

不動産コラム【売買】

中古マンションの引き渡し日の決め方は?当日の流れや注意点も解説

中古マンションを購入するにあたり、引き渡し日の決め方に悩んでいる方もいらっしゃるのではないでしょうか。
中古マンションの引き渡し日は、基本的に買主と売主が相談して決定するため、両者で話し合える場があればスムーズに決まりやすいです。
そこで今回は、中古マンションの引き渡し日の決め方を、引き渡し日当日の流れや注意点とともに解説します。

中古マンションの引き渡し日の決め方

中古マンションの引き渡し日の決め方

中古マンションの引き渡し日は、基本的に買主と売主が話し合って決めます。
ただし、居住中の中古マンションと空室の中古マンションでは、引き渡し日の決め方は変わってくるので、ここではパターン別に決め方を解説します。

居住中の中古マンション

居住中の中古マンションを購入した場合、売主は引き渡し日までに退去しなければなりません。
そのため、まず売主に以下の4点を早めに済ませてもらいましょう。

●新居の決定
●引っ越し業者への依頼
●転出・転入手続き
●荷造り


引き渡し日は、中古マンションの売買契約を結ぶ段階で確定させるため、上記の4点が決まらなければ契約に進めません。
中古マンションの購入申し込みから売主の退去まで、2か月ほどで完了する場合もありますが、年度末や長期休暇などの繁忙期は引っ越し業者の予約が取りにくくなることがあります。
そのため、入居希望日が確定している場合は、余裕を持って入居希望日の3〜4か月前までに中古マンションの購入を申し込むことをおすすめします。
これにより、売主も余裕を持って退去準備を進められます。

空室の中古マンション

空室の中古マンションの引き渡し日は、基本的に買主の意向が反映されます。
ただし、引き渡し当日は売主や買主だけでなく、不動産会社の担当者や司法書士も立ち会い、ローンの契約手続きが同時におこなわれることが多いです。
そのため、引き渡し日は買主の意向が反映されやすいとはいえ、関係者全員の都合を調整する必要があります。

土日や祝日の引き渡しはできない

中古マンションの引き渡し日には、代金の決済や所有権の移転登記手続きをおこないます。
そのため、金融機関や法務局が休みの土日や祝日は、引き渡し日に設定できません。
また、平日でも夕方や夜間は金融機関および法務局が閉まっているため、引き渡し日は平日日中に決めるのが一般的です。
平日の日中は、売主も買主も仕事をしている場合が多いため、早めに都合の調整方法を考えておくとよいでしょう。
中古マンションの購入申し込みから引き渡し日までの平均期間は、入居中の物件で3~4か月、空室の物件で1~2か月です。
この期間をもとに引き渡し日を決めたら、勤務先へ休暇申請をしておきましょう。

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中古マンションの引き渡し日当日の流れ

中古マンションの引き渡し日当日の流れ

中古マンションの引き渡し日当日は、金融機関の会議室に売主と買主、不動産会社の担当者、金融機関の担当者、司法書士が集まります。
まず、売主と買主の本人確認がおこなわれます。
その後は、それぞれが持参した必要書類を司法書士に渡し、書類に不備がないか確認してもらいましょう。
不備がなければ、司法書士の指示で買主の口座に、金融機関の担当者から住宅ローンの融資金が振り込まれます。
融資金が振り込まれたあとは、その場で以下の金額が買主の口座から各口座へ振り込まれます。

●売主に支払う売買代金の残高
●都市計画税や固定資産税
●マンションの管理費や修繕積立金
●司法書士に支払う登記費用
●不動産会社に支払う仲介手数料


売主に住宅ローンが残っていた場合は、この流れで売主側の住宅ローンの返済手続きもおこなわれます。
住宅ローンの返済手続きが完了すると、抵当権抹消登記の手続きが開始されます。
各口座への振り込み、および抵当権の抹消や登記手続きの完了が確認できたら、売主から家の鍵や宅配ボックスのカードキーなど受け取りましょう。
同時に、中古マンションのパンフレットや設備機器の取扱説明書を受け取り、郵便ポストの暗証番号も忘れず教えてもらいましょう。
すべての手続きが完了したら、引渡完了証などの書類に署名・捺印をし、引き渡し当日の流れは終了です。
引き渡しが完了したら、引っ越し業者に依頼して、暮らしの準備をおこないます。

引き渡し日に買主が準備する物

引き渡し日当日は、免許証などの本人確認書類、3か月以内に発行された住民票・印鑑証明書、銀行の届出印や実印が必要です。
また、住宅ローンを利用しない場合は、都市計画税や固定資産税、仲介手数料、中古マンションの購入代金の残金、登記費用を現金で用意します。
それぞれ別の相手に、お釣りが出ないように支払う必要があるため、事前に必要な金額を確認しておきましょう。

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中古マンションの引き渡しで気を付けたい注意点

中古マンションの引き渡しで気を付けたい注意点

中古マンションの引き渡しにおいては、以下の注意点を把握しておきましょう。

注意点①事前説明と相違がないか確認する

「雨漏りについて説明を受けていないのに雨漏りがある」「温水器を修理すると言われていたのに修理されていない」など、事前説明と異なる箇所がないか確認しましょう。
事前説明と異なる箇所があれば、契約不適合責任を売主に問うことが可能です。
契約不適合責任の補償範囲や補償期間は、契約書に記載されています。
補償期間を過ぎてから訴えても補償は受けられないため、部屋全体の様子は引き渡し当日に確認しておきましょう。

注意点②準備物は早めに用意しておく

引き渡し当日は、さまざまな書類や印鑑、場合によっては現金も必要です。
ひとつでも用意し忘れると手続きが滞り、引き渡しが別日に延期されることがあります。
引き渡し当日は、多くの方が集まるため、迷惑をかけないように準備物は早めに用意し、忘れずに持参しましょう。

注意点③税金などの精算方法の決め方

固定資産税や都市計画税、マンションの管理費や修繕積立金は、売主が1年分を支払っている場合が多いです。
そのため、買主は引き渡し時点で負担割合を決め、日割り計算により必要な金額を売主に返済する必要があります。
清算方法は、引き渡し日以降の金額を買主が負担するケースが一般的です。
負担割合は、売主と買主の話し合いで決めて問題ありませんが、不動産会社の担当者や司法書士が間に入るとスムーズに進みやすいです。

注意点④振込手数料を負担する人物の決め方

中古マンションの引き渡しで発生する金銭は、基本的に銀行振込でおこないます。
そのため、振込ごとに発生する振込手数料を売主と買主のどちらが負担するかを事前に決めておきましょう。
振込手数料は数百円ですが、不動産売買では小さな問題が大きなトラブルに発展する可能性があります。
最後まで円満に取引を終えられるよう、数百円の金額でも話し合うことが重要です。

注意点⑤鍵が全部そろっているか確認する

売主から最後に渡される部屋の鍵がすべて揃っているか確認しましょう。
万が一、1本でも不足している鍵があると、思わぬトラブルに発展する可能性があります。
鍵が揃っていない場合は、売主に鍵の交換を依頼できるため、引き渡し当日に鍵の本数を必ず確認しましょう。

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まとめ

中古マンションの引き渡し日の決め方は、売主と買主で話し合って決めますが、居住中の物件は引っ越し完了まで時間がかかるため注意しましょう。
引き渡し日当日の流れは、本人確認のあと、司法書士の指示に従って振り込みや税金などの精算をおこない、最後に鍵を受け取って終了です。
引き渡しでは、事前準備を怠らないこと、事前説明と相違がないか部屋の状態を確認することなどの注意点を把握しておきましょう。

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