賃貸物件を探しているとき、ガスの種類について意識する方は意外と少ないかもしれません。
しかし、都市ガスかプロパンガスかによって料金や生活の快適さが大きく変わるため、事前にチェックしておくことをおすすめします。
そこで今回は賃貸物件におけるプロパンガスから都市ガスへの変更の可否や、都市ガス・プロパンガスそれぞれの特徴、メリット・デメリットを解説します。
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賃貸物件の入居後にプロパンガスから都市ガスへの変更は可能?
賃貸物件において、入居後にプロパンガスから都市ガスへの変更は基本的に不可能です。
なぜ変更できないのか、その理由を解説します。
賃貸物件のガス変更にはオーナーの許可が必要
ガスの種類を変更する際は、まず賃貸物件のオーナーの許可が必要です。
ガス設備の変更には多額の費用がかかるため、オーナーがその変更に応じることは少ないと言えます。
とくに、プロパンガスから都市ガスに変更する場合、新たな配管工事や設備の設置が必要となり、建物全体に影響を及ぼします。
そのため、個人の希望で賃貸物件のガスの種類を変更することは現実的に難しいと言えます。
賃貸物件のガスの種類は建物全体で統一されている
賃貸物件では、建物全体でガスの種類が統一されています。
たとえば、すべての部屋でプロパンガスを使用している場合、1部屋だけを都市ガスに変更することはできません。
その理由は、賃貸物件内で複数のガス会社によるガス供給がおこなわれると、管理費用をそれぞれの会社ごとに振り分けるのが難しくなるためです。
また、同じ賃貸物件内でガス設備を複数のガス会社が管理するのは現実的ではありません。
したがって、1つの賃貸物件において供給されるガスの種類は1つであることが原則となっています。
ガス料金の差異
プロパンガスは都市ガスに比べて料金が高い傾向にあります。
たとえば、一般財団法人日本エネルギー経済研究所石油情報センターによると、単身世帯にかかる月あたりのガス料金の目安は4,592円です。
都市ガスで同じ量のガスを使用した場合、料金は2,264円となり、プロパンガスの方が2,000円以上高いことがわかります。
しかし、賃貸物件におけるガス料金を支払うのはあくまで入居者自身です。
オーナーが実際にガス料金を支払うわけではないため、ガス会社の選定においては料金以外の点が重視されがちです。
また、プロパンガス業者による設備やメンテナンスがオーナーにとって便利であるため、プロパンガスを選択しているケースも少なくありません。
さらに、都市ガスが供給されていない地域では、プロパンガスしか選択肢がない場合もあります。
月々のランニングコストが気になる場合は、賃貸物件選びの際にガスの種類を確認することが重要です。
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都市ガスの特徴やメリット・デメリット
賃貸物件を探すときに都市ガスかプロパンガスかで迷っているときには、それぞれの特徴を把握したうえで比較・検討することが大切です。
ここでは、都市ガスの特徴やメリット・デメリットについて解説します。
都市ガスの特徴
都市ガスは地下の配管を通じて供給されるガスで、都市部や大規模な住宅地で利用されることが一般的です。
ガスの原料としては主に天然ガスが使用されており、クリーンで環境に優しい点が特徴です。
また、都市ガス自体は無臭ですが、ガス漏れに気付きやすくするために意図的に臭いが付けられているという特徴もあります。
都市ガスのメリット①料金が安い
都市ガスは、プロパンガスと比較したときに料金が安い点が大きなメリットです。
都市ガスの料金が安いのは、経済産業大臣の認可を受けた規制料金であるためです。
たとえば、東京ガスでは毎月の基本料金が759円、基準単位料金が145.31円となっています。
なお、基準単位料金は原料費調整制度に基づいて毎月変動するため、注意が必要です。
総務省の調査によると、単身世帯にかかるガス代がもっとも高くなるのは1~3月の冬季です。
そのため、冬場に暖房や給湯にガスを多く使用する家庭では、都市ガスとプロパンガスで月々の光熱費に大きな差が生まれることがあります。
都市ガスのメリット②空気より軽い
都市ガスは空気よりも軽いため、万が一ガス漏れが発生した場合、天井付近にたまります。
また、空気中への拡散性が高い点も都市ガスの特徴です。
そのため、窓を開けることでガスが外に放出されやすく、安全性が高いというメリットがあります。
都市ガスのデメリット①すべてのエリアで利用できない
都市ガスは地中に埋設されたガス管を通じて供給されますが、全国どのエリアにもガス管が埋設されているわけではありません。
そのため、エリアによっては都市ガスを利用できない場合があることを認識しておく必要があります。
また、敷地内にガス管が引き込まれていない場合、道路からの配管工事が必要となり、10万円以上の費用がかかる点もデメリットです。
都市ガスのデメリット②災害時の復旧が遅い
地震などの自然災害が発生した場合、都市ガスの供給は自動的に停止されるため、ガス漏れによる爆発事故に巻き込まれる心配はありません。
しかし、都市ガスは地中に埋設されているため、導管網が寸断された場合、点検や修理に時間がかかります。
そのため、災害後にガスを使用したいと思っても、復旧までに時間がかかる点が都市ガスのデメリットです。
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プロパンガスの特徴やメリット・デメリット
プロパンガスには一見デメリットしかないように思われがちですが、じつはメリットもあります。
賃貸物件を探すときには、プロパンガス特有のメリットにも目を向けたうえで検討しましょう。
ここでは、プロパンガスの特徴やメリット・デメリットについて解説します。
プロパンガスの特徴
プロパンガスは、ガスボンベを各家庭や建物に設置して供給されるガスです。
ガスの主成分はプロパンやブタンで、都市ガスよりも熱量が高いため、同じ量でも効率的に使用できます。
また、規模の大きい賃貸物件では、ガスボンベの代わりに容量の大きいバルクタンクを設置して各部屋へガスを供給することもあります。
なお、プロパンガスも都市ガスと同様に無臭ですが、ガス漏れに気付けるように臭いが付けられている点が特徴です。
プロパンガスのデメリットは料金が高いこと
プロパンガスのデメリットとして、都市ガスよりも料金が高いことが挙げられます。
その理由のひとつは、ガスボンベの設置や交換などの運搬コストがかかることです。
また、料金は業者によって異なるため、物件によっては高額になることもあります。
プロパンガスの賃貸物件を選ぶ際には、事前にガス料金を確認することが重要です。
プロパンガスのメリット①災害時の復旧が早い
プロパンガスには、災害時に強いメリットがあります。
実際、経済産業省の調査によると、東日本大震災時の全面復旧日数は都市ガスが54日だったのに対し、プロパンガスは42日でした。
とくに災害が多い地域では、この点が評価されることがあります。
プロパンガスのメリット②火力が強い
プロパンガスには、都市ガスよりも火力が強いメリットがあります。
レストランなど火を多く使う店舗で都市ガスではなくプロパンガスが用いられているのは、プロパンガスの熱量が高いためです。
料理が好きで自宅で自炊をすることが多い方には、プロパンガスの賃貸物件が向いている可能性があります。
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まとめ
賃貸物件のガスの種類がプロパンガスだったとき、基本的に都市ガスへの変更はできません。
都市ガスには料金が安いなどのメリットがある一方で、災害時の復旧が遅いデメリットもあります。
それに対してプロパンガスは都市ガスよりも料金が高いものの、災害時の復旧が早い点は大きなメリットです。
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