サラリーマンや公務員にとって、マイホームを購入する機会は人生において一度だけかもしれません。
中古マンションは新築に比べて価格が抑えられますが、それでも高価な買い物であることに変わりはないため、失敗しないかと心配になるでしょう。
この記事では、失敗しない中古マンションの買い方として、事前の計画づくりや物件の選び方のほか、購入までの流れもご紹介いたしますので、購入予定の方はお役立てください。
失敗しない中古マンションの買い方~事前の計画
中古マンションの購入にあたっては、事前の計画を十分に整えておくのが重要なポイントです。
ここでは、中古マンションを購入するための計画づくりの重要性についてご説明します。
目的
中古マンションを購入したいと考えたときには、手に入れるうえでの目的を明確にしておきましょう。
マイホームは高価な買い物であり、漠然と購入する方はいないでしょうが、購入する目的を見失ってしまうケースがみられます。
出産などで家族が増えたときや、子どもの成長、転勤や通勤時間の短縮、生活における利便性の向上のほか、自然豊かな環境など、新居を求める目的を家族で共有しましょう。
物件の条件
家族から、新居に関する要望を聞き取ってください。
おそらく、エリアや築年数、間取り、水回り、キッチン設備、周辺の商業施設、通勤時間、保育や教育施設へのアクセスのほか採光や眺望について意見が集まるでしょう。
もちろん、予算も重要なポイントの1つであり、どれだけ探しても、すべての希望を叶えられる物件をみつけられるとは限りません。
希望する条件に優先順位をつけておくとともに、妥協できる範囲を明確にしておくと、物件を探すときに役立ちます。
資金企画
物件を購入する目的を定め、家族からの要望を聞き入れたうえで、資金計画を作成しましょう。
収入のなかから生活費などを差し引き、住宅ローンの返済やマンションの管理費と修繕積立金、税金の支払いに充てられる金額を計算してください。
なお、自営業など収入が安定していない方は、収入を高く見積もらないようにしましょう。
サラリーマンや公務員であっても、年収が増えるとは限らない点に注意が必要です。
不動産を購入するときには、頭金のほか売買契約時の印紙税や不動産登記費用、仲介手数料、引っ越し費用などの初期費用がかかります。
また、住宅ローンを利用するうえで、事務手数料や団体信用保険料、ローン保証料なども必要になります。
頭金は物件価格の10〜20%程度が相場で、初期費用には物件金額の6〜13%程度がかかるでしょう。
貯金のなかから、頭金や初期費用へ充当できる金額を見積もっておくのも重要なポイントです。
マンションの維持費
マンションにおいては、管理組合に対し管理費や修繕積立金を支払う必要があります。
物件によって金額が異なりますが、一般的な相場は、管理費が月額1万5,000〜2万円程度で、修繕積立金は月額10,000〜15,000円程度です。
また、固定資産税だけではなく都市計画税がかかるケースもあるため、注意してください。
生活費
子どもの成長などによって、生活費が大きく変化する可能性があります。
たとえば、塾へ通うときの学費や、年齢とともに小遣いも必要になるでしょう。
資金計画の作成にあたっては、今後の暮らしにおいて必要になる金額を想定してください。
住宅ローンの借入可能額
金融機関から住宅ローンとして借りられる金額の相場は、年収の5〜6倍程度が目安になります。
このほかに、貯金から充当できる金額と、親族などから援助してもらえる分を加えた額が購入金額の上限です。
頭金を用意しないで購入金額の全額を住宅ローンによって賄おうとするケースがありますが、金融機関から厳しい審査を受ける可能性があります。
また、借入額が多いほど返済額が増え、生活を圧迫するかもしれません。
なお、住宅ローンとして返済可能な金額を高めに見込むと、その後の暮らしに影響する恐れがあるので十分に注意してください。
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失敗しない中古マンションの買い方~物件の選び方
ここでは、失敗しない中古マンションの買い方のうち、物件の選び方についてご説明します。
不動産会社の選び方
不動産の売買にあたっては不動産会社が大きな鍵を握るといわれており、信頼できる会社をみつけるのが重要なポイントです。
引っ越し先の候補地に関する情報を多く保有している会社が望ましく、土地勘のない様子のときには違う会社へ依頼するのが得策でしょう。
また、レスポンスが遅いなど対応に疑問を感じたときは、見直す必要があるかもしれません。
気になる物件を見つけたときに内見などがスムーズにできるよう、信頼できる会社を見極めましょう。
情報収集
物件に関する情報を把握する際には、資産価値の動向に注意する必要があります。
中古マンションの相場は、立地と築年数が大きく影響しています。
相場価格を把握したうえで、売り出し金額が相場を超過しているときには、丁寧に価格交渉をすすめましょう。
一方で、相場に比べて著しく安いとしても安易に受け止めず、価格が抑えられている理由を把握してください。
立地条件が良くて需要の高い間取りの物件は資産価値が落ちにくい傾向があり、将来、売却する際に買い手をみつけやすくなるでしょう。
建物が古すぎて耐用年数を迎えるなど寿命が近い物件は、購入後に大規模な修繕が必要になる可能性があるなど要注意です。
エントランスや駐車場、ゴミ置き場などの状況のほか、定期的に必要なメンテナンスが適切におこなわれているか物件の管理状況についても確認しておきましょう。
築年数が経過しているにも関わらずリフォームの実績がない物件は、近い将来、不具合が発生する可能性があり、購入してから出費がかさむ可能性があります。
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失敗しない中古マンションの買い方~購入の流れ
ここでは、失敗しない中古マンションの買い方のうち、購入の流れについてご説明します。
事前準備
中古マンションの購入を考えたときには、事前の準備を慎重に進めるのが失敗しない買い方におけるポイントであり、新たな住居を手に入れる流れのスタートです。
無理な資金計画にならないよう、貯金や収入で間に合う範囲の金額を設定してください。
資金計画をもとに、金融機関に対して住宅ローンについて相談するとともに、不動産会社に物件の紹介を依頼しましょう。
物件探し
不動産会社へ依頼すると、物件の情報が提供されるようになり物件探しが本格化します。
気になる物件は積極的に内見し、立地や築年数、間取りなどの情報と周辺における相場価格を確認してください。
売買契約
価格やさまざまな条件が合致する物件をみつけて購入を希望するときには、買付証明書を提出します。
買付証明書とは、売主に対して物件を購入する意思を明確にする書類で、提出しても売却してもらえるとは限らない点に注意しましょう。
また、住宅ローンを利用するときには事前申請と本申請が必要になり、購入を決めた段階で事前申請をおこなってください。
事前審査の通過とともに、売主との交渉が成立したときには売買契約を結び、同時に売買金額の一部として手付金を支払うのが一般的です。
なお、売買契約を結んだ段階で、住宅ローンの本申請をおこなってください。
物件の引き渡し
住宅ローンの本申請を通過できたときには、売買契約において定める期日までに残りの売買代金を支払います。
不動産売買においては、残りの売買代金の支払いと同時に物件が引き渡されるほか、所有権移転登記に必要になる書類を提出するのが一般的です。
なお、物件の引き渡しを終えると購入者は自由に引っ越しして構いませんし、リフォームするときには工事を進めましょう。
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まとめ
中古マンションの購入にあたっては、無理な住宅ローンを組まないなど適切な資金計画を作成するのが失敗しないうえでの重要なポイントになります。
なお、立地や築年数などすべての条件を満たす物件を見つけられるのは稀であり、条件に優先順位を設定しておくと良いでしょう。