共有名義の売却に必要な委任状とは?認知症対策もご紹介の画像

共有名義の売却に必要な委任状とは?認知症対策もご紹介

不動産コラム【売買】

共有名義の売却に必要な委任状とは?認知症対策もご紹介

共有名義の不動産を売却するとき、状況によっては共有者の方の委任状が必要になることがあります。
ただし、共有者の方が認知症になっているケースの委任状には注意が必要です。
そこで今回は、委任状とは何か、共有名義の不動産を売却するときの委任状に記載する内容や、認知症になったときの成年後見人についてご紹介します。

共有名義の不動産を売却するための委任状とは

共有名義の不動産を売却するための委任状とは

共有名義の不動産を売却するときは、委任状が必要になることがあります。
どのようなときに委任状が必要なのかを知るためには、そもそも委任状とは何かを知っておく必要があります。

委任状の意味

委任状とは、書面を持っている者が、書面を作成した者の依頼に基づいて手続きをおこなうことを示す書類です。
代理権委任状とも呼ばれ、代理人がおこなう申請や手続きが本人の意思によるものであることを証明する書類です。
代理人とは、委任者本人に代わって手続きをおこなう者を指し、受任者とも呼ばれます。

共有名義の不動産売却で委任状が必要なケース

共有名義の不動産を売却するために委任状が必要となるのは、共有者の代表者が他の共有者から委任を受け、代理人として売却手続きをおこなう場合です。
具体的には、委任者である共有者が契約時に立ち会えないケースを指します。
本来、共有名義の不動産を売却する際は、共有者全員が契約に立ち会う必要があります。
これは、共有名義の不動産の売却が共有者全員の合意に基づいておこなわれ、契約締結後に所有権移転登記がおこなわれると、共有者全員がその権利を失うためです。
しかし、共有者の一部が海外など遠方に住んでいる場合や病気で入院している場合など、契約に立ち会えない事情があることもあります。
そのような特別な事情がある場合に限り、委任状を作成し、共有者の代表者に手続きを依頼することが認められます。
逆に言えば、特別な事情がなく、やむを得ない状況でなければ委任状による手続きの代行は認められません。

委任状は誰が作成するのか

共有名義の不動産を売却する際、代表者に手続きを委任するためには、委任者本人が委任状を作成する必要があります。
ただし、病気やけがなどの事情で自分で作成することが難しい場合は、代筆での作成も可能です。
代筆をおこなう際には、自署できない理由や読み聞かせによる代筆である旨を明記する必要があります。

▼この記事も読まれています
不動産売却時の必要書類!提出するタイミングごとの必要書類を解説

共有名義の不動産を売却するときの委任状に記載する内容

共有名義の不動産を売却するときの委任状に記載する内容

委任状を作成するとき、記載しなければならない内容については概ね決まっています。
まず、書類全体のタイトルとして「委任状」と書く必要があり、末尾に委任状の有効期限や結びの「以上」などの記載が必要です。
共有名義の不動産を売却するための委任状には、ほかにも記載すべき内容があります。

受任者と委任者の名前を記載する

委任状には、代理人となる受任者と、手続きを依頼する委任者の名前を明確に記載する必要があります。
委任者は受任者を代理人として定め、委任状のなかで、不動産売買契約の締結権限を代理人に委任することを記載しなければなりません。
内容が伝われば、どのような文章でも構いませんが、受任者と委任者が明確でないものや委任する手続きが不明瞭なものは認められないため、注意が必要です。
また、委任者の名前は、委任状の末尾にある「以上」の下にも記載し、委任者の所在も記載します。
委任者となる共有者が複数いる場合は、連名で作成しても構いません。

売却する不動産の情報を記載する

共有名義の不動産を売却するための委任状には、売却する不動産の情報も詳細に記載します。
どの不動産を売却するのかを明確にし、取り違えや受任者による無断売却を防ぐためです。
委任状に不動産の情報を記載する際は、登記事項証明書の記載どおりに書く必要があります。
土地を売却する場合は、土地の所在、地番、地目、地積の情報が必要です。
建物も売却する場合は、建物の所在、家屋番号、種類、構造、床面積も記載します。
登記事項証明書を取得するには、法務局に申請する必要があり、登記所や法務局の窓口で手続きできるほか、自宅に郵送してもらうオンライン申請も可能です。

不動産の売却条件

共有名義の不動産を売却するための委任状には、該当する不動産の売却条件も記載する必要があります。
委任者の認識と異なる条件で売却され、後にトラブルが発生するのを防ぐためです。
この項目は、委任者が個別に希望を記載するのではなく、共有者全員で協議し、合意した内容を記載する必要があります。
不動産の売却価格、手付金の額、引き渡し予定日、違約金の金額、公租公課の起算日、金銭の取り扱いなどを明記します。
また、所有権移転登記の手続きなど、権利の消滅に関する手続きについても記載しなければなりません。
これらの条件を明記することで、委任者と受任者の認識のずれを防ぎ、権利の濫用を防止できる可能性が高まります。

▼この記事も読まれています
不動産売却で買取保証を利用できる条件とは?メリットや注意点を解説

共有名義の不動産を売却するときの成年後見人の扱い

共有名義の不動産を売却するときの成年後見人の扱い

共有名義の不動産を売却するとき、共有者の1人が認知症になっている可能性があります。
認知症になっていると、委任状を用いての不動産売却はおこなえません。
そのようなケースでは、認知症になった方の成年後見人を立てる必要があります。

なぜ委任状が使えないのか

認知症になった方の委任状が利用できないのは、認知症により判断能力が低下するためです。
委任状による不動産売却は、本人の意思に基づいておこなわれる必要がありますが、認知症になると適切な判断ができなくなります。
そのため、認知症になった共有者に委任状を書いてもらっても、本人に判断能力がないとみなされ、委任状は無効となります。
委任状の内容が本人の意思であると認められるには、本人が契約内容を理解し、自ら判断し、法律行為をおこなえる状態である必要があります。

認知症になったら成年後見人を立てる必要がある

共有者が認知症になった場合、成年後見人を立てて手続きをおこなってもらう必要があります。
成年後見人には、本人が後見人を選ぶ任意後見制度と、家庭裁判所が選任する法定後見制度がありますが、認知症を発症したあとは法定後見制度のみ利用できます。
法定後見制度では、家庭裁判所が成年後見人を選任し、どのような行為が認められるかも裁判所が決定します。
任意後見制度は自由度が高く、本人の意思を反映しやすい制度です。
そのため、本人の意思を反映させるには、認知症になる前に成年後見人を選び、事前に契約を結んでおく必要があります。

必ずしも売却が認められるわけではない

成年後見人を立てても、共有名義の不動産の売却が必ず認められるわけではありません。
成年後見制度は、認知症になった方自身やその財産を保護することを目的とした制度です。
そのため、後見人が本人の財産を自由に処分することはできず、本人に不利益となる可能性がある財産の処分は制限されます。
法定後見制度を利用する場合、不動産の売却には家庭裁判所の許可が必要となり、許可が下りない可能性もあります。
また、一度後見人になると、本人が死亡するまで後見人の役割を継続しなければなりません。
定期的に家庭裁判所とやり取りをおこなう必要があるなど、後見人には一定の負担が生じる点にも注意が必要です。

▼この記事も読まれています
単純売却の概要とは?メリットと利用するための注意点についても解説!

まとめ

共有名義の不動産を売却するにあたり、共有者の方が契約の場に来られないのであれば委任状が必要です。
委任状には、委任者と受任者の名前や不動産の情報などを明確に記載します。
共有者の方が認知症になると委任状ではなく成年後見人が必要ですが、不動産売却の許可がおりるかは状況次第です。


”不動産コラム【売買】”おすすめ記事

  • 住宅ローンの代行手数料は払わなくていい?相場や仕組みも解説の画像

    住宅ローンの代行手数料は払わなくていい?相場や仕組みも解説

    不動産コラム【売買】

  • モデルハウス購入で失敗しないためには?失敗を防ぐ方法についても解説の画像

    モデルハウス購入で失敗しないためには?失敗を防ぐ方法についても解説

    不動産コラム【売買】

  • 建売住宅の耐震性はどれくらい?注文住宅との違いも解説の画像

    建売住宅の耐震性はどれくらい?注文住宅との違いも解説

    不動産コラム【売買】

  • 贈与で取得した土地の売却前に確認するポイントは?費用や注意点もご紹介!の画像

    贈与で取得した土地の売却前に確認するポイントは?費用や注意点もご紹介!

    不動産コラム【売買】

  • 共有名義の土地を売却する方法は?分筆の仕方やできない土地もご紹介!の画像

    共有名義の土地を売却する方法は?分筆の仕方やできない土地もご紹介!

    不動産コラム【売買】

  • 中古マンション購入の流れ!準備のコツや注意点は?の画像

    中古マンション購入の流れ!準備のコツや注意点は?

    不動産コラム【売買】

もっと見る
来店予約