土地を購入する前の注意点とは?注意が必要な土地の特徴や選ぶコツをご紹介
土地は一生において大きな買い物といえるので、購入するときには慎重に土地選びをおこないたいものです。
購入後に後悔しないためには、土地を購入する前に注意点を把握し、しっかり確認してから購入することが安心につながります。
今回は、土地を購入する前の注意点とはなにか、購入前に注意が必要な土地の特徴や土地選びのコツをご紹介します。
土地の購入前に確認しておきたい注意点
土地の購入前に注意点をあらかじめ理解しておくと、土地選びのときにその注意点を確認できるので、後悔せずに済みます。
ここからは、土地の購入前に確認しておきたい注意点を3つご紹介します。
用途地域を確認する
土地の購入前に確認しておきたい注意点として、土地の「用途地域」の確認があります。
購入しようとしている土地が、都市計画法にもとづく「都市計画区域」に該当していると、建築しても良い建物の種類に制限があるかもしれません。
都市計画区域には「用途地域」とよばれる13の種類があり、それぞれに建築できる建物が厳密に分けられています。
用途地域は大きく分けると「住居系」「商業系」「工業系」の3つに分かれており、建物の高さや規模、建ぺい率や容積率、建物の用途にもさまざまな制限があります。
例として、住居系である「第一種低層住居専用地域」では、1階を店舗とする3階建て住宅の建築は難しいです。
ほかにも、工業専用地域には一般住宅を建築するのは難しいといわれています。
自分が建てたい建物と合わない用途地域で土地を購入してしまうと、思いどおりの建物が建築できなくなってしまうので、用途地域は土地の購入前に確認しておきたい注意点といえます。
地盤の固さを確認する
土地の購入前に確認しておきたい注意点のひとつが、地盤の確認です。
地盤が強固であれば問題ありませんが、もし地盤が柔らかいなら改良工事が必要になるかもしれません。
表層改良で済むのであれば費用を比較的抑えられますが、地盤の状態によってはソイルセメントや鋼管杭などの大規模改良工事が必要となることもあります。
工事の種類や施工範囲によっては、費用が200万円以上かかる可能性もあるので、地盤の固さを確認しておくのは土地を購入する前の注意点のひとつといえるでしょう。
土地の購入前に地盤改良の必要性まで明確にするのは難しいかもしれませんが、ハザードマップや地盤サポートマップを参考にする方法もあります。
隣地の境界線を確認する
土地の購入前に確認したい注意点には、隣地との境界線の確認が挙げられます。
境界線が明確になっているか目視で確認するだけでなく、境界杭があるかどうかも確認が必要です。
もし境界杭がないなら、売主に確定測量をおこなってもらい、杭を設置してもらいましょう。
売主と隣地の持ち主が境界線でもめている状態で土地を引き渡されると、あとからトラブルが発生する可能性があります。
トラブルを避けるためにも、境界線と境界杭が明確なのか確認しておきましょう。
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土地の購入前に注意が必要な土地の特徴と注意点
購入時に注意が必要な土地にはいくつかの特徴があるので、土地を購入する前にそれを知っておくと土地を選ぶうえで参考になるでしょう。
ここからは、土地の購入前に注意が必要な土地の特徴やその注意点についてご紹介します。
隣地との高低差がある
土地の購入前に注意が必要な土地の特徴として、隣地との高低差がある土地が挙げられます。
隣地と高低差がある土地は、日当たりが悪くなるなどのリスクが考えられます。
また、周辺よりも低い土地だと、豪雨や洪水による浸水のリスクも高くなるでしょう。
高低差が大きいと、建物を建築するときに盛土や擁壁などの造成費用が余計にかかる可能性があり、費用が大幅に高額になるケースもあるので注意が必要です。
また、隣地との高低差に関する注意点として、隣地が2m以上高い、あるいは1m以上低いときは「がけ条例」が適用される可能性があります。
がけ条例が適用されると、そのままの状態では建築ができないので、建築面積を制限する、擁壁を組むなどの対応が必要になります。
土地の形がゆがんでいる
購入する前に注意が必要な土地の特徴には、土地の形が挙げられます。
ひし形や凸型などゆがんだ形が特徴の土地では、建物は建てられても使っていないスペースが多くなりがちです。
デッドスペースがある土地を購入すると、使っていない土地の分まで固定資産税を払い続ける必要があるので注意が必要です。
また、変形地や旗竿地などでは、希望の間取りプランが入らないケースもあります。
希望している間取りがあるなら、その間取りにあった土地の形状か購入前に確認しておきましょう。
消火栓が設置されている
土地を購入する前に確認しておきたい特徴のひとつが、消火栓の設置です。
土地の前面に消火栓が設置されているかどうか、土地を購入する前に確認しておきましょう。
土地の前面によく設置されているものとして、ガードレール、カーブミラー、電柱などの建造物がありますが、この3つは移動が可能です。
しかし、消火栓は原則として移動ができません。
そのため、常に家の前に消火栓がある状態となり、消火栓に車をぶつけないよう注意を払う必要があります。
さらに、有事のときには、家の目の前が消防車の停車する場所となってしまうでしょう。
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後悔しにくい土地選びのコツ
土地を購入するときに後悔しないような土地選びをしたいなら、土地購入のコツを知っておくと安心です。
ここからは、土地購入のコツと注意点についてご紹介します。
事前準備をしておく
土地購入のコツのひとつが、土地を購入する前に事前準備をしっかりしておく点です。
もし希望に合うような条件の良い土地を見つけても、条件の良い土地はほかの方にとっても魅力的なので、すぐに売れてしまう可能性があります。
購入の準備をしているうちに売れてしまったら、また一から探さないといけないので、時間も手間もかかります。
すぐに購入の手続きがとれるよう、事前準備をしてから土地探しを始めましょう。
たとえば、住宅ローンの仮審査に必要な書類の準備や、間取りプランの作成、建物と土地の資金計画などを先に準備しておくと安心です。
譲れない条件を決めておく
後悔しない土地選びをするコツとして、これだけは譲れない条件を決めておくと良いでしょう。
土地購入の決め手となる条件はそれぞれなので、自分や家族にとっての優先順位を先に決めておくと、決断がスムーズにできます。
例として、最寄り駅までの距離や買い物の便利さ、周辺の環境などです。
通勤・通学の便利さを最優先するなら駅から近い土地、買い物の便利さを優先するなら近くにスーパーマーケットや大型商業施設がある土地になります。
ほかにも、静かな場所が良いなら繁華街を避ける、災害の危険性が少ないほうが良いならハザードマップを確認するなど、条件に沿って絞れます。
現地を見学する
土地選びの注意点として、土地を購入する前に現地を何度か見学するようにしましょう。
実際に目で見ると、資料だけでは気づかない点が確認できるので、土地に対する理解が深まります。
とくに周辺環境における確認ポイントは、日当たり、駅やバス停までの距離や歩きやすさ、歩道や街路灯などです。
見学するときのコツは、可能であれば時間を変えて、夜も見学してみることです。
夜に見学してみると、街路灯が少なく駅から土地まで歩く道が暗いなど、昼の明るい時間ではわからない問題に気づけるかもしれません。
ほかにも、ゴミ置き場やお墓などの嫌悪施設、騒音・異臭がする施設などもチェックしておくと良いでしょう。
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まとめ
土地の購入前に確認しておきたい注意点は、用途地域、地盤の固さ、隣地の境界線を確認しておく点です。
購入前に注意が必要な土地の特徴は、隣地との高低差がある、土地の形がゆがんでいる、消火栓が設置されている土地です。
後悔しない土地を購入するためには、事前準備をしておく、譲れない条件を決めておく、現地を複数回見学するのがコツとなります。